吉本新喜劇の「ミポリン」こと、マドンナ役で活躍した中山美保(本名・石田美保子)さんが2月7日に、78歳で亡くなっていたことが分かってから一夜明けた5日、新喜劇の後輩たちが、所属事務所を通してコメントを寄せた。

 中山さんの夫(故人)の弟で、往年の新喜劇の大黒柱だった故花紀京さんに師事していた現座長の内場勝則(56)は「(訃報が)今でも信じられないくらい、とても元気な方でした」。主婦としての顔も見たといい「NGK(なんばグランド花月)出番の合間には必ず、高島屋、黒門市場へ買い物に行き、いつもたくさん買い物をして帰ってきていた」と思い出を語った。

 その内場夫人で、同じく新喜劇ヒロインの未知やすえ(53)は「新喜劇女優として、永遠のマドンナだった美保姉さん」としのび「せりふ覚えは誰よりも早く、お稽古で台本を持っているお姿は見たことがなかった」。

 出番の合間に買い込んだ食材を持ち帰り「家に帰って食事の準備を楽しそうにされていたお姿が忘れられません」と尊敬し「毎日、『寝る前にビールとおはぎを食べるのが楽しみなのよ』と。とてもかわいいお姉さんでした」とコメントした。

 後輩思いで、優しかった中山さんには、初舞台で中山さんと一緒だった浅香あき恵(60)も感謝した。突然の訃報に驚き「思い出すと涙腺が緩む」とつらい気持ちを吐露しつつ「初舞台のとき、緊張している私に、めっちゃしゃべりかけてくれて、ありがたかった」と話した。

 男性上位、男社会だった当時の新喜劇において、女優はより以上に緊張感を強いられただけに、浅香にとって、中山さんの気遣いは忘れられない思い出だ。

 「本当にお話が大好きなお姉さんでした。ケラケラと笑う姿が目に浮かびます。竜じい(井上竜夫さん)、ジョージ(島木譲二)と続き、昭和の時代から、ともに歩ませていただいた人生の先輩たち…」と、昨年から相次ぐ別れに涙。中山さんから教わった「人に優しく」の精神は「今も私の中にあります」としのんだ。

 また、吉本新喜劇草創期からともに舞台に立ってきた桑原和男(81)も「いつも元気で『吉本一』の元気者でした」と振り返った。