美空ひばりさん(享年52)の生誕80周年を記念したコンサート「だいじょうぶよ、日本!ふたたび」が5日、東京ドームで開催された。

 五木ひろし(69)氷川きよし(39)坂本冬美(50)きゃりーぱみゅぱみゅ(24)ら、世代とジャンルを超えた22組のアーティストが共演。生前の歌唱映像がステージ上の巨大スクリーンに流れる中、ひばりさんのヒット曲「川の流れのように」など29曲を約3万人に披露した。

 ひばりさんが「乱れ髪」を歌唱した際に身に付けた帯を遺品として受け継いでいる坂本。「ひばりの佐渡情話」を歌唱した後で「ひばりさんにキューッと抱きしめてもらっているような思いで歌いました」と、形見の帯に手を当てながら語った。

 「ひばりさんの楽曲を後世に伝えるのが使命」と語っていた氷川は「人生一路」を歌唱。ひばりさんの生前の歌声とデュエットをして会場を沸かせた。

 「悲しい酒」を選曲したさだまさし(64)は「ご存命のころから一緒のステージに立ったが、すばらしいシンガー。当時から『生きた神話』。ああいう人はもう出てこないのではないか」としのんだ。

 ゴスペラーズは「真赤な太陽」を歌った。アマチュアの学生時代に同曲をカバーしたという。リーダー村上てつや(45)は「今日は、ひばりさんに少しでも恩返しをしたいと思いながら歌いました」と話した。

 五木は「このステージに立てて夢のよう。いろんな思いがこみ上げてきた」とかみしめた。

 この日は、88年の同所こけら落とし公演、2011年の二十三回忌コンサートに続いて、ひばりさんにとって3度目の“ドーム公演”。ひばりスピリッツが、昭和から平成に受け継がれていることを証明したステージになった。

 ひばりさんの曲に加え、出演者がオリジナル曲も歌唱。4時間を超える盛り上がりに花を添えていた。

 10代から福祉活動に取り組んでいたひばりさんの思いを継いで、公演の収益金の一部は東日本大震災と熊本地震の復興支援に使われる。【松本久】