香港映画界のレジェンド俳優サモ・ハン(65)の監督&主演映画「おじいちゃんはデブゴン」(5月27日公開)来日舞台あいさつが6日、東京・新宿武蔵野館で行われ、サモ・ハンの吹き替えを担当する声優の水島裕が、花束を持って駆けつけた。

 水島は「日本ではミスターサモ・ハンと水島裕は1セット販売になっている。“サモ・ハン・イズ・バック”いい言葉ですね。今年の流行語大賞になるように」と客席に呼び掛けた。それを聞いたサモ・ハンは「はい、サモさん」と言って、水島の肩をたたいた。

 水島は1978年(昭53)年の「燃えよデブゴン」(日本公開は81年)をはじめとした、デブゴンシリーズなどの吹き替えを担当した。「最初に20代の頃に『デブゴン』の吹き替えをしてから、サモ・ハンさんの作品を吹き替えながら、今日まで来ている。この間の経過を、ご一緒に過ごせたのが本当に幸せなこと」とサモ・ハンに感謝した。サモ・ハンは「いつも声を当てていただいて、お疲れさまです」と水島の労をねぎらった。

 水島はサモ・ハンのほか、「ロミオとジュリエット」で知られる英俳優レナード・ホワイティングの吹き替えも担当していたが、ホワイティングは俳優を引退した。水島が「引退しないでください」とお願いすると、サモ・ハンは「水島さんがいらっしゃるからこそ、自分は引退せずに続けています。引退させないよう、映画を撮り続けます」と約束した。

 さらに、水島が「監督としては、すばらしいですが、1シーンでも出て一言、しゃべってください」と言うと、サモ・ハンは「出資者がお金出してくれれば、いくらでもやるよ」と言い、笑った。【村上幸将】