作詞作曲家の中村泰士氏(77)が9日、大阪城ホールで自主主催イベント「カラオケレインボー 1万人の歌謡曲」を開催した。観客約1万人が歌謡曲を合唱するのは日本初の試みとなった。

 イベントは2部制で行われ、第2部では中村氏が指揮を執り約1万人の観衆と「いい日旅立ち」など14曲を合唱した。観衆を先導した中村氏は「2年前からみんなで歌謡曲を歌うことは楽しいと言っていたけど、やっと実現できた。きょう参加された方には楽しさが少し分かっていただいたかも」と笑顔を見せた。

 ステージの最後には自らが作詞作曲した日本レコード大賞曲「喝采」を大合唱した。終演後、中村氏は「もう少し観衆と寄り添ってほうがよかった」と合唱のの反省点もあげたが「でもムチャムチャ、気持ちよかった」と満足そう。

 細川たかしの「北酒場」など、多くのヒット曲を手がけた中村氏がイベントを企画したのは「歌謡曲愛」からだった。「僕は歌謡曲が好きで歌謡曲に育ててもらった。ただ歌謡曲は時代を経ると、作詞家、作曲家のものではなくなる」。時代を彩り、それぞれの人の心に残る「歌謡曲」をみんなで歌いたい-。そんな思いがこもったイベントだった。

 終演後に会見した中村氏は「いまこの終わった瞬間に来年もやりたい!」と声を弾ませた。

 第1部にはゲストとして歌手小柳ゆき、夏川りみ、中村氏が「最後のプロデュース新人」の日系ブラジル人3世のエンジュ(年齢非公表)らが出演した。