初回収録を終えたのに、番組存続の危機を迎えている新番組がある。フジテレビ系「良かれと思って!」(19日スタート、水曜午後10時)は劇団ひとり(40)バカリズム(41)ハライチの沢部佑(30)メイプル超合金のカズレーザー(32)がゲストをあらゆる角度からいじくるトークバラエティー。1月の特別番組がレギュラー化したのだが、その内容に恐れをなして、第2回以降のゲストが決まっていない。異例の事態を4人に聞いた。

 第1回収録を終えれば、安堵(あんど)に包まれるはずのスタジオが不穏な空気だ。番組はMCの4人が毎回ゲストを招き、「良かれと思って」さまざまな提案や疑問をぶつける。カズレーザーは「(初回の)収録前に、『次回以降のキャスティングが全然進んでない』って聞いて。誰に言っても『初回放送を見てから判断します』って言われるみたい。すごい不安」と明かした。劇団ひとりも「前回は、この4人だからこそできる悪ふざけみたいな感じが楽しかった。それがゴールデンにふさわしいかは別として。今から深夜番組にできないかな」と不安を打ち消すように笑った。

 1月の深夜に放送された特別番組ではタレント筧美和子を下ネタで、いじり倒した。爆笑は誘ったが、ゲストを供給する各芸能事務所にはすぐに情報が回った。「あの4人は危険だ」。出演依頼の答えは、「初回を見てから」という反応が続いた。

 開始前から逆風の番組は珍しい。それでも、沢部が「可能性は無限大」と勢いを付ける。この収録では、結婚に関する陰と陽の2人として、離婚直後の小倉優子と、アメリカ国籍の制作会社社長と幸せな結婚生活を送るアンミカ、そして梅沢富美男が登場する。小倉には離婚後の新プロフィルを作ろうとさまざまな提案をし、本人が封印したい「こりん星」時代にも触れて盛り上げた。バカリズムは「小倉さんとアンミカさんの部分はちゃんとしたトーク番組だった」と振り返り、ひとりは「キャスティングする時はあの部分だけ送ろう」と、タブーを笑いに変える、手応えを感じている。

 今後出演してほしい人に、バカリズムは筧を挙げた。「もう1回ゴールデンでちゃんと取り扱ってあげたい。前回はエロい話ばっかりしちゃって」。反省の言葉が、わなにも聞こえる4人だった。【松尾幸之介】

 ◆1月の特番VTR ゲストは筧美和子、デヴィ夫人ら。筧にはグラビア界の怪しいうわさについて厳しく追及し、「演技でもやっていきたい」と話す筧にダメ出しを連発した。最後は筧の証言を元に、バカリズムが筧の胸の予想図を描くなど、やりたい放題の展開に。デヴィ夫人には、たび重なる有名人とのトラブルなどについて、過去の発言を取り上げて追及して盛り上げていた。