長沢まさみ(29)と松田龍平(33)が夫婦を演じる、黒沢清監督(61)の新作「散歩する侵略者」(9月9日公開)が、世界3大映画祭の1つ、第70回カンヌ映画祭(5月17日、フランスで開幕)の、ある視点部門に出品されることが決まった。13日、同映画祭事務局が発表した。

 長沢は、14年に香港映画「太平輪」(ジョン・ウー監督、日本公開未定)のプロモーションでカンヌ映画祭に初参加し、15年には「海街diary」(是枝裕和監督)がコンペティション部門に出品され、レッドカーペットを体験。今回のノミネート決定を受け「この映画をたくさんの国の方々に見ていただけることをうれしく感じる反面、ドキドキしている自分もいます。作品に参加出来たこと、黒沢監督とご一緒出来たことを誇りに思います。ぜひ公開を楽しみにしていていただきたいです」とコメントした。

 松田は、99年のデビュー作「御法度」が00年にコンペティション部門に出品されて以来、17年ぶりにカンヌ映画祭に出演作が出品される。「大変うれしく光栄に思います。デビュー作以来のカンヌ映画祭。最高です。あの時僕がみたカンヌの景色は、それはそれは刺激的でした。そういう意味でも僕にとって特別な思いがあります。黒沢監督に感謝」とコメントした。

 長谷川は劇中で、長沢と松田が演じる夫婦が住む町で一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発する中、取材するジャーナリスト・桜井を演じる。「念願だった黒沢清作品に出演させていただき、さらにカンヌまで出品できるとは。映画に関わった者としてこんなうれしいことはありません。見る人によって何色にも染まれるこの映画が、どのように世界を『侵略』していくのか楽しみです」と期待した。

 黒沢監督は、カンヌ映画祭ある視点部門で、08年に「トウキョウソナタ」で審査員賞、15年には浅野忠信、深津絵里が主演した「岸辺の旅」で監督賞を受賞した。「たぶんこの映画は、他の何にも似ていないから選ばれたのでしょう。スタッフ、キャスト全員の力が合わさって、初めて強烈な個性が生み出されます。その代表としてカンヌに行きます。みんな、ありがとう」とコメントした。

 「散歩する侵略者」は、劇作家の前川知大氏率いる劇団イキウメの同名人気舞台の映画化作品。数日間の行方不明の後、夫が「侵略者」に乗っ取られて帰ってくるという大胆な発想をもとに、異変に巻き込まれていく日常を描く物語。