シンガー・ソングライター川島ケイジの初単独ホールコンサートが東京・渋谷区文化総合センター大和田さくらホールで行われ、取材に行きました。

 昨年8月、メジャーデビューした新人歌手。その声に色気があり、個人的に注目している存在です。私は昔から、歌声としては、女性ボーカルよりも男性ボーカルのほうが好きで、特に男性ボーカルでキーが高い人が好きでした。川島は声自体は決して高いわけではなく、むしろ中音系。声質も独特です。泣ける歌声として人気の林部智史(28)と対極に位置するような声質だが、何か味があるというか、聞くと落ち着く声質なのです。

 初の単独ホールコンサートということもあり、正直まだMCのトークは、いまひとつでした。ゲスト出演した元宝塚の水夏希(44)は「MCの間の静寂がアーティストって感じ」と話すと「静寂も音楽です」と返答。これは名言ですね!

 コンサート最後、バンドメンバーが次々に舞台を下りていく中、川島1人がステージに残りました。すると、自分のメジャーデビューのきっかけを作ってくれた恩人でもある音楽プロデューサー石坂敬一氏が好きだったという曲「今人」を弾き語りで披露。この曲はCD未収録で、実は私もこの日初めて聴きました。この曲がいいんです!

 石坂氏は昨年12月31日に亡くなりましたが、洋楽ではビートルズやピンク・フロイド、邦楽では矢沢永吉やBOφWYらを手がけた伝説的な方です。石坂氏が「彼の声はいい。絶対に売れる」とレコード会社に働きかけたのが、川島のデビューのきっかけとなりました。そんなエピソードからのバラード調の曲「今人」には思わず涙がこぼれそうになりました。年齢とともに年々涙腺がゆるくなり、些細(ささい)なことにでも反応しているような感もありますが、私の琴線に触れる何かがあったことは間違いありません。

 5月からはchageさんの全国ツアー「Chage Hall Tour 2017~Have a dream!~」のゲスト参加も決定しています。ぜひ、皆さんも機会をつくって川島ケイジの歌声を体験してみてはいかがでしょうか。