女優寺島しのぶ(44)主演の日米合作映画「Oh Lucy(オー・ルーシー)!」(平柳敦子監督、今年公開)が、現地時間5月17日に開幕するフランス・カンヌ映画祭の批評家週間部門に選出されたことが21日、分かった。

 寺島にとって、出演作のカンヌ選出は初めて。米国での撮影も振り返り「日米合作ということもあって、撮影中は苦労もたくさんありました。海外の方々にこの映画を見ていただけることがうれしくてなりません」とコメントした。

 4~5月は長男真秀(まほろ)くん(4)の歌舞伎座での初お目見えに向け、女優業を休んでいる最中。渡航は調整中だが、うれしい喜びが重なった。

 フランス生まれのアートディレクターで夫ローラン・グナシアさんとも喜び合っている。「主人の母国の映画祭なので、家族ともども喜んでおります」。グナシアさんは98年の同映画祭で上映された「リュシアン 赤い小人」をプロデュースした経験もあり、夫婦でカンヌとの縁ができた。

 「Oh Lucy!」は、5年前の短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」でグランプリを取った作品を元にした、平柳監督の初長編作。寺島演じる独身OLが米国人の英会話講師に恋をし、東京とロサンゼルスで騒動を巻き起こす様子を描いた。南果歩、忽那汐里、役所広司、ハリウッド俳優ジョシュ・ハートネットらが出演している。新進監督発掘が目的の批評家週間部門での日本作品選出は、吉田大八監督「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」以来10年ぶり。

 寺島はカンヌと並ぶ世界3大映画祭の1つ、ベルリン映画祭で、10年に「キャタピラー」で最優秀女優賞を受賞、海外での評価も高い。