神木隆之介(23)主演映画「3月のライオン 後編」(大友啓史監督)が22日に公開となり、神木と有村架純(24)倉科カナ(29)加瀬亮(42)伊勢谷友介(40)清原果耶(15)前田吟(73)が都内で初日舞台あいさつを行った。

 事故で家族を失い孤独を抱えた天才高校生棋士(神木)が、倉科、清原らが演じる3姉妹や将棋を通して出会うさまざまな人との交流を通して、成長していく姿を描いたもの。

 前後編を通して印象に残っているシーンを聞かれると、神木は「ポスターでは紺色のダッフルコートを着ているけど、(劇中では)シーンの雰囲気で色が変わっている。前編と後編で歩く速度や姿勢をちょっと変えている。そういうところを見てもらいたい」。伊勢谷から「自分のシーンが一番好きですって」と冷やかされ、「言い方、言い方!」と苦笑いだった。

 73歳の前田は「そうですね~、忘れちゃったな~」ととぼけて、「70過ぎてから、人の名前、特に漢字を、1日5人くらい忘れちゃう」と笑わせた。

 後編から登場している伊勢谷は、倉科ら3姉妹を捨てた父という役どころ。名人を演じた加瀬とは、今作と同じ羽海野チカ氏の漫画が原作の映画「ハチミツとクローバー」(06年)でも共演している。「過去には僕が天才役だったんですけど、今回は天才を交換しました」と、羽海野作品ファンを喜ばせた。

 この日は、「3月のライオン」前後編が第20回上海国際映画祭に正式出品されることが発表された。前後編を2夜に分けた、映画祭史上初の「2部作2夜連続上映」も決まり、神木は「うれしいですね。たくさんの方に見ていただきたい。史上初ですか! いい響きですね」と顔をほころばせた。大友監督も「中国は海外の映画が限られていて、年30本くらいしか見られない。こういう上映は喜んでもらえる」と胸を張った。