乃木坂46の選抜メンバーに選ばれなかったアンダーメンバーによるコンサート「アンダーライブ」の千秋楽公演が22日、東京体育館で行われた。今月20日から3日間、同所で4公演が行われ、計3万2000人を動員した。勢いに乗るグループの層の厚さを証明してみせた。

 アンダーメンバー全体のセンターを務める渡辺みり愛(17)が「東京体育館、千秋楽、盛り上がっていくよ~!」と呼びかけるとファン8000人から大歓声を浴びた。メンバーが1人ずつ単語を記した半紙を順番に読み上げた。「最弱でも」「最高に」「熱くなれる」「それが」「アンダーライブ!」。自分たちのステージに集まってくれたファンに向けてプライドをにじませた言葉だった。

 出演メンバーは12人。14年の初開催以来、最少人数だ。生駒里奈(21)白石麻衣(24)西野七瀬(22)ら有名メンバーはいない。それでも会場は超満員。「制服のマネキン」「ぐるぐるカーテン」などヒット曲を次々と披露。異例のトリプルアンコールまで28曲を歌いきった。

 乃木坂46は12年2月のデビューから5年、勢いに乗っている。NHK紅白歌合戦に2年連続で出場。新シングル「インフルエンサー」は出荷120万枚を突破した。ソロで活躍するメンバーも増えているが、そのほとんどが選抜組。アンダーメンバーの一般的な知名度は高くない。それでも年数回、定期的にライブを開催し、場数を踏んでいる。乃木坂46全体のコンサートでは、パフォーマンスや演出部分でアンダーメンバーがリードする部分もあり、豊富な経験でステージを支えている。個々のメンバーも、魅力を発揮し始めている。この日ステージでトークをまとめた伊藤かりん(23)は、NHK・Eテレ「将棋フォーカス」の司会を務め、「第一生命」のCMに出演している。

 渡辺はこの日「同じオーディションを受けてきたのに、どうしてこんなに(選抜と)違うんだろう、比べられるんだろうと思って悔しかった。アンダー12人のパフォーマンスは誰にも負けてないと思います」と涙した。能條愛未(22)も「アンダーライブはチャンスでもあり勝負でもある。熱い気持ちが伝わったかと思います」と続いた。対抗心と自負心を胸にこれからも自分を磨き続ける。

       【横山慧】