元AKB48増田有華(25)が26日、川崎市のラゾーナ川崎で、ソロデビューシングル「愛してたの」発売記念イベントを行った。AKB48史上屈指のボーカリストと称された増田は、表題曲を含む3曲を披露。道行く買い物客も思わず足止めする、パワフルな美声を響かせた。

 ラップ歌手KREVAのプロデュースで、3曲とも自分で歌詞を付けた。「小さいころから(作詞を)やってきてはいるけど、サビにキャッチーな部分を持ってきたり、考えながら歌詞を書いたのは初めて。それをソロデビュー曲としてお披露目できるのがうれしい」と喜んだ。AKB48時代との歌い方の変化を聞かれると、「当時はたくさんのメンバーがいるので、自分の1節に100%を込める歌い方で、『声に厚かましさが出てる』と言われた(笑い)。今はどこを取っても自分なので、力みすぎることはない」と笑った。

 12年にグループを卒業してからは、持ち前の器用さから、舞台やミュージカルなど幅広く活動をしてきた。卒業から4年半、念願のCDリリース日を迎えた。「ファンの方からも、『あいついつデビューすんねん。死ぬで』と思われていた。私の夢もかなったし、ファンの方の夢もかなえてあげられた」と感慨深げだった。

 うれしいサプライズもあった。AKB48時代の同期、秋元才加(28)小林香菜(25)がサプライズで祝福に訪れた。花束を持った2人が「おめでとう~」と言いながらステージに上がると、増田は涙で「え~? ビックリした。どこに隠れとったん?」と信じられない様子。「リリースイベントをたくさんやってきて、その流れで今日を迎えたので、リリースする実感が沸かなかったけど、2人が来てくれて急に、『今日デビューするんだ』と実感しました」と喜んだ。

 小さいころから父の手ほどきで歌を歌い、物心つくころには歌手になることを夢見ていた。デビュー前日に家族と電話すると、なぜか父からは応対を固辞されたという。ところが、26日になった瞬間に父から電話がかかってきたという。「デビュー日ちょうどに、一番最初に『おめでとう』って言いたかったみたい。そういう気持ちを感じたときに、うるっときました。父が一番、楽しみにしてくれていた」。支えてくれた家族、仲間へ感謝をしつつ、忘れられない歌手デビュー日となった。