23日に結腸がんによる腸閉塞(へいそく)のため死去した三遊亭円歌さん(享年85)の告別式が27日、東京・港区の青山葬儀所でしめやかに営まれた。一門の弟子ら約30人を含む、300人が参列し、故人との最後のお別れをした。出棺の際には円歌さんの得意演目「授業中」のCDが流された。軽妙な語り口に、涙を流しながらもクスクス笑いする参列者もいた。

 参列した三遊亭円楽(67)は報道陣の取材に応じ、10年に6代目円楽を襲名した際の思い出を語った。パーティーや地方公演などあらゆる場所に、円歌さんが付き添ってくれたという。「『何かあったら俺が代わりにやるから』と言ってくれた。帰りの飛行機で2人でベロンベロンに酔っぱらって、弟子に言わせると『羽田空港で2人で抱き合っていた』そうです(笑い)」。師匠の先代円楽からは、円歌さんに「お前に客、付いてねえよ。お前を聞きに来てない」と言われたことが発奮材料になったと聞かされていたという。

 生前の円歌さんを「すごいしかない」と表現した。「どこへ出ても受けるんだもん。自分のお客さんにできる芸人って、そんなにいない。ちょっと出て、お客さんが全部、円歌師匠のものになる」と、芸人としてのすごみを語った。

 先代円楽も含め、先輩の師匠たちがこの世を去ることに寂しさを感じている。「(林家)三平師匠にも、(古今亭)志ん朝にも、もちろんうちの師匠にも、引っ張ってもらったから、今がある。追いつこう、追いつこうと思って頑張ってきたけど、その思いが今度は寂しくなってきてね。鍛えてくれた人がみんな向こうへいってしまった」と、しみじみ語っていた。