俳優佐藤健(28)の書籍「るろうにほん 熊本へ」発売記念会見を取材した。

 熊本との縁は、13年夏に主演映画「るろうに剣心 京都大火編」の撮影を熊本で行ったことがあり、その後、熊本地震後に炊き出しも行っている。

 会見後、取材陣に熊本の郷土料理、だご汁が振る舞われた。佐藤は用意されただご汁をよそい、取材陣1人1人に手渡した。

 こうした形式のイベントの場合、取材陣向けに、食事を振る舞う姿を撮影した後、あとのことはスタッフに任せ、帰ってしまう芸能人もいる。この日も、かなり大勢の取材陣がいたが、佐藤は、食べてみたいという人がいなくなるまで、エプロン姿で大きな鍋の前に立っていた。「このぐらいの分量でいいかな」「足りるかな」などと気遣いの言葉をつぶやきながら、だご汁をよそい続けた。会見で熊本について「第2の故郷みたいなもの」と話していたが、こうした様子を目の当たりにすると、説得力を感じるとともに、熊本を思う気持ちを強く感じた。

 ちなみに、エプロン姿を初めて間近で見たが、とても似合っていた。2年前にTBS系連続ドラマ「天皇の料理番」で、昭和天皇にまごころを持って仕えた料理番を演じていた。熊本を思いながら、だご汁をよそう姿を見ていたら、まるで天皇の料理番にふるまっていただいているような不思議な気持ちにもなった。