新年度に入り、日刊スポーツの文化社会部にも、新入社員が入ってきた。社会人になったばかりの彼らにとって、同期は心強い仲間だという。確かに、自分にとっても、同期は特別な存在だ。入社年が同じというだけなのだが、論理的に説明しにくいシンパシーと連帯感があるように感じている。

 アイドルグループ乃木坂46では現在、「3期生」が勢いに乗っている。今月9日から始まった初の単独ライブ(東京・渋谷のアイア2・5シアタートーキョー)では、全8公演で計6400席という枠に、24万もの応募があり、何と40倍近いプレミアチケットとなっている。

 乃木坂46の3期生は、アイドル界でも特に「精鋭」ぞろいと評判だ。昨年開催したオーディションの応募総数は異例の4万8986人。4000以上の倍率を勝ち抜いた12人だ。ルックスのレベルが高く、加えて「清楚(せいそ)で上品」というグループのイメージを兼ね備え、それぞれの個性も出てきた。既に、放送中の日本テレビ「NOGIBINGO!8」は3期生がメインで出演中。期待の高さがうかがえる。

 乃木坂46は、11年8月に結成した。1期生は白石麻衣(24)西野七瀬(22)斎藤飛鳥(18)ら、ファッション誌でモデルとして活躍しているメンバーも多く、生駒里奈(21)秋元真夏(23)らバラエティーで活躍する者や、「ロミオ&ジュリエット」「レ・ミゼラブル」など本格的な舞台に次々出演する生田絵梨花(20)など、個性豊かなアイドルが生まれた。高ルックスのメンバーが多数そろい、一部では「奇跡」の1期生とも呼ばれ、日本を代表するアイドルグループにもなった乃木坂46の土台を作り上げたと言っていい。

 一方、13年3月に加入した2期生は、1期生が粒ぞろいな分、加入当初厳しい状況が続いた。同年11月発売のシングル「バレッタ」で、1期生がいる中でいきなりセンターを飾った堀未央奈(20)以外は、前に出るチャンスが少なく、メディア露出も限られていた。それでも、加入当初からセンターを目標とし、人気メンバーの1人となり選抜入りを果たした寺田蘭世(18)をはじめ、メンバーたちは腐らずひたむきに努力を続け、グループにとって代わりのきかない存在となった。「不屈」の2期生と言っていい。

 話をAKB48に移すと、前田敦子や板野友美らタレントぞろいの1期生に、加入当初は1期生を激しくライバル意識し、お祭り騒ぎが得意な大島優子や宮沢佐江ら2期生。もともとアイドルが好きで、AKB48にも憧れてAKB48に入ってきた渡辺麻友、柏木由紀らの3期生がいる。結果的に、これらのメンバーを中心に、唯一無二の国民的アイドルグループが生まれた。乃木坂46の構成とも、重なる部分があるように思う。

 「奇跡」の1期生、「不屈」の2期生、「精鋭」の3期生。入った時期が同じだけなのに、一生「同期」とくくられるのは不思議なものだが、勢いに乗る乃木坂46を「期ごと」に分析してみるのも、アイドルグループを楽しむ1つの楽しむ方法かもしれない。