俳優水谷豊(64)が14日、都内で初監督兼主演を務める映画「TAP-THE LAST SHOW-」(6月17日公開)のイベントに出席した。 

 タップダンサーを描いた作品で、その構想は実に40年におよぶものだったことを明かした。「20代後半に思い描いたけど誰も興味を示してくれなかった。30代で本を書いたけどうまくいかなかった。40代でもだれものってなかったので、50代は何もしなかったんです。でもどこかに思いがあって、60代で話してみたら異様に興味を示してくれた」と話し、「届かない夢だと思っていたが、思い続けることの大切さをこの作品が教えてくれた」と語った。

 初監督兼主演だが「監督としてのイメージはみんなに伝えましたが、役者としての自分をここまで意識しなかったのは初めて。そういう意味では構えることがなかった珍しい作品」。監督として悩んだのは「タップがうまい役者の起用か、本物のタップダンサーの起用かだった」という。しかし、オーディションで本物タップダンサーを見て「芝居はどうにかなる。本物で行こう」と決めた。

 イベントには北乃きい(26)六平直政(63)前田美波里(69)岸部一徳(70)に同作出演のタップダンサーも出席した。北乃は「シーンの1カット1カットに感動して涙が出てくるんです。こんな現場は初めてで、魔法のような不思議な空間でした」とエピソードを話した。タップダンサーたちはキレのあるタップダンスを披露した。

 水谷は「映画は見た人のものだと思います。この作品を見てみなさんのものにしてください」と集まったファンに呼びかけた。