大野拓朗(28)主演の映画「猫忍」の舞台あいさつを取材した。主役は忍者と猫、ミスマッチな?コンビだ。ステージには4歳の“主役ネコ”の金時君も登場し、会場は和やかな空気に包まれた。

 実はこの金時君、たいへんな巨漢だった。昨年12月の取材時、確か体重は8・5キロだった。しかし、現在は次の作品に取り組んでおり、規則正しい生活をしていることで、1キロほど痩せたという。人気猫は忙しいようだ。

 そもそも、動物における「タレント」とは一体、何なのか。金時君が所属する「ZOO動物プロ」に聞いてみた。

 事務所には200種類以上、約3000匹のタレント動物が所属している。事務所が育てているものもいれば、飼い主が事務所と契約してタレントになった動物もいるという。

 この事務所の場合、インターネットから誰でも自由にタレント登録ができる。しかも何と無料だ。「顔の整った子が、必ずしも求められるわけではない。再現ドラマなんかだと、とにかく顔が似ている子を求められる。クライアントの要望にできる限り幅広く対応できるように、間口は広くしています」というのが理由だ。ただ、いくら登録したからといって、仕事が入るという確約はない。

 人間の役者と違い、タレントになるためのレッスンなどはない。性格上、向いていないと事務所が判断した場合、飼い主にはそれを伝えるという。その上で、仕事現場が動物たちにとって居心地の悪い場所にならないよう、環境作りなどには気をつけているそうだ。

 金時君の場合、飼い主がいる。「猫忍」はオーディションで役を勝ち取った。約1カ月半の撮影の間は、飼い主の了承を得て、事務所が金時君を預かった。

 ちなみに、ギャラはどれくらいなのか。この質問はさすがに答えられないそうだが、食い下がると、「人間よりは全然低い」との回答だった。