米俳優ヒュー・ジャックマン(48)が25日、都内で会見した。

 「X-MEN」シリーズに連なる主演映画「ローガン」(ジェームズ・マンゴールド監督、6月1日公開)のPRのためで、17年間演じた「ウルヴァリン」への深い思いを語った。

 不死身の体と無敵の合金の爪を持ったヒーロー、ウルヴァリンは、米コミックが生んだ人気キャラクターだが、「出演話をもらったとき、実は原作を読んだこともなかったし、ウルヴァリンを知らなかった。それが今では体の一部になっている」と明かした。

 18年前、英国王立劇場で「オクラホマ」を演じたとき、演出家のトレヴァー・ナン氏(71)から「息の長い役者に成りたかったら、ルーツになるような5つのはまり役を持ちなさい」と教わったという。そのエピソードを持ち出しながら「でも、今思うと僕のルーツはたったひとつ、このウルヴァリンかもしれない」と振り返った。

 この役を演じて9作目。今回が最後となることが決まっている。同席したマンゴールド監督は「今までの常識は捨てて、ウルヴァリンが立ち、ヒューの思いが伝わるような作品にしたかった」と明かした。

 トランプ政権で注目された「メキシコ国境の壁」を暗示するようなシーンが登場し、「壁」政策を批判するくだりもある。ジャックマンは「大統領選の討論会でトランプ氏が主張する前から、実は脚本にはあったんだ。盗用されたんじゃないか、と僕たちは疑っている」と冗談めかし、笑いを誘った。