58年の歴史を誇る吉本新喜劇に、初の女座長が誕生することになり、26日、吉本興業から発表された。07年9月に「第3個目 金の卵オーディション」に合格した“うわさ体重”100キロ超えの酒井藍(30)。酒井はこの日、大阪・天王寺の「生国魂(いくたま)神社」で就任祈願に出席した。

 「足元をコチョコチョされてるような、ずっとフワフワ。そんで、こめかみをガーンと殴られた感じ」

 今年5月10日、単独ライブを終えた後、会社から座長人事を伝えられ、当時の思いをこう振り返った。

 新喜劇は59年に「吉本ヴァラエティ」としてスタート。62年に名称を変更し、花菱アチャコ、芦屋雁之助、藤田まこと、横山エンタツ、岡八郎、花紀京、木村進、間寛平、今田耕司、東野幸治らが座長を経験してきた。99年に座長制度が固定されて以降では、酒井が史上最年少就任で、8人目の座長になる。

 最年少で初の女座長には「ふんどし、締め直して頑張りたい。あ、パンツですけど…」と抱負を語った。

 奈良県警で交通課に勤務していたが、新喜劇に転身した酒井は、ぽっちゃりキャラで早くから注目され、持ちギャグ「ブーブー。ブーブー。私、人間ですねん」は鉄板ネタだ。

 これまでも「THE舶来寄席」などでリーダーを経験しており、今年1月のMBSテレビ「よしもと新喜劇スペシャル」では、初の臨時座長も務めるなど、将来の座長候補として活躍してきた。

 一方で、酒井本人は「○○長とか、委員とか、まったく経験がなくて初めて。高校の柔道部では女子2人で副キャプテンでした」と話し、人生初の“長”に緊張も隠せない。

 この日は、紫色の生地に大きな花をあしらった振り袖姿で「花がきれいなのでこれを選びました。あ! 花、華がある座長さんになりたい」と目を輝かせた。

 先輩にも直接、もしくはメールなどで就任を伝えており「(末成)由美姉さん、(若井)みどり姉さんも喜んでくれて、うれしかった」。とりわけ、女性の先輩からの祝福に感激し「(未知)やすえ姉さん、(浅香)あき恵姉さんは泣いてくれました」と話した。酒井が就任するまで当時の最年少32歳で座長に就いた小籔千豊(43)は「新地へすし食いにいこう」と、祝福の宴も約束してくれたと明かした。

 座長の大役を得て、恋愛は遠のきそうだが「ここ(生国魂神社)は、初めて神社で結婚式場を作ったそうなので、そういう面もちょっとだけあやかって、彼氏ができたら」と期待。最近のお気に入りは「山崎賢人さん。毎晩、CM5回ほど見て寝てます。結婚したい」と話していた。

 座長就任公演は7月26~31日、大阪・なんばグランド花月で行われる。