俳優の高橋克実(56)が29日、東京国際フォーラムで行われた狂言師・野村萬斎(51)の主演映画「花戦さ」(篠原哲雄監督、6月3日)公開直前会見で“地頭かつら”で演じたと吐露した。

 劇中で、野村演じる主人公・池坊専好の幼なじみの町衆・吉右衛門を演じた高橋は、会見の冒頭のあいさつで「私は個人的に、見どころの1つとしてですね…私のみ羽二重なしの地頭かつらという…着脱が本当に簡単な、かつらで演じております」と力強く言った。

 かつて、ちょんまげ姿の男性は頭の正面を剃る、月代(さかやき)の状態でまげを結った。時代劇を演じる際、俳優は頭髪を剃らず、肌色の布の下地「羽二重」をかぶり、その上にちょんまげのかつらをかぶる。

 高橋は、自身が羽二重をかぶる必要のない頭であることを強調。羽二重を着けると、特に目の辺りがつられるというが「表情にいろいろと制限がございますが、私、表情の制限がございませんでした」と言い、場内を笑わせた。関係者によると、高橋は羽二重を着けず、頭に直に着けることが出来るかつらを着けて演じたという。

 高橋は10年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で西郷隆盛を演じたことはあるが、映画で時代劇に出演するのは初めてだという。質疑応答では、その感想について聞かれたが、そこでも“地頭かつら”について、あらためて説明。「初めての(時代劇での)映画というので“地頭かつら”…もう1回、説明します。普通の方は、出来ない。特殊な形態、形状を持つ頭じゃないと出来ない」と言い、再び、取材陣を笑わせた。【村上幸将】