野村萬斎(51)が29日、都内で主演映画「花戦さ」(篠原哲雄監督、来月3日公開)の完成報告会見と舞台あいさつに出席した。

 映画は戦国時代末期、暴君化の兆しを見せていた豊臣秀吉に、主人公の池坊専好が華道で対決を挑んだ史実をもとに描かれた。今年に入って、北朝鮮による弾道ミサイル発射が連日のように報じられており、共演の中井貴一(55)とともに映画に絡めて、緊迫する東アジア情勢の平和維持を願う思いを語った。

 萬斎は舞台あいさつで「武力に対して文化の力、芸術の力が、どれだけあるのか。今もミサイルをちらつかせているヤツがいるけど、文化や芸術が、対話をするきっかけになれば」。中井は会見で「『ミサイルが飛んだ』とかいう世の中で、文化や芸術で幸せになれる道がある」と語った。

 2人の切実な「願い」とは対照的に、千利休役の佐藤浩市(56)は別の「願い」を告白した。市川猿之助(41)が演じた秀吉から頭を踏みつけられる場面があり、「(演技の)圧がかからないとできないんで、猿之助君に『もっと踏んで!』とお願いしていました」と話して笑わせた。【森本隆】