アニメ映画「メアリと魔女の花」(米林宏昌監督)が8日、全国366館、458スクリーンで封切られ、配給の東宝は同日午後、興行収入(興収)50億円を狙える好スタートを切ったと発表した。

 「メアリと魔女の花」は、10年の「借りぐらしのアリエッティ」、14年の「思い出のマーニー」を手がけた米林宏昌監督(43)と、「思い出の-」をプロデュースした西村プロデューサー(39)がスタジオジブリを14年末に退社して、翌15年4月に立ち上げたスタジオポノックの第1作。東宝は、興収35億3000万円を記録した米林監督の前作「思い出の-」との初日午後2時時点での対比で、130%の動員を記録したと発表。映画ファンを中心に、ファミリー層も劇場に足を運んでいることから、興収50億円を狙えると判断した。

 この日、東京・TOHOシネマズスカラ座で行われた初日舞台あいさつで、米林監督は「スタジオジブリ、宮崎駿という2つの魔法の言葉が、いつも僕の隣、僕の中にずっとあった。乗り越えていかなきゃいけないと、常に考えて作っていきました」と語った。また西村プロデューサーも「メアリを作ったのは8割、ジブリにいた方。自分たちの中にあるジブリは超えていきたい…前に進みたいと思います」と断言。ともに“卒業”したスタジオジブリで、自身が手がけた作品は超えたいと意欲を見せていただけに、初日の好スタートで有言実行ぶりを証明した格好だ。【村上幸将】