歌手の松山千春(61)が、搭乗した全日空機の出発が遅れたため、乗客のために代表曲「大空と大地の中で」を機内で歌っていたことが、全日空への取材で21日分かった。乗客は拍手喝采だったという。

 同社によると、松山は20日、札幌(新千歳)発大阪(伊丹)行き全日空1142便に搭乗。同機は午前11時55分に出発予定だったが、Uターンラッシュによる保安検査場の混雑で午後1時3分まで出発が遅れた。

 松山さんは午後0時50分ごろ、客室乗務員に「みんなイライラしています」と申し出て、機長の許可を得て機内放送用のマイクで同曲の冒頭を歌い「もう少しお待ちください」などと話したという。

 同機に乗り合わせた公務員の男性(26)は「松山さんが歌い終わると拍手喝采で、多くの乗客が笑顔になった。気遣いと美声に大変感動した」と話した。全日空の広報担当者は「松山さんの厚意に感謝したい」としている。

 松山は20日に出演した生放送のラジオ番組で機内の出来事を明かし「出しゃばったことしているなと思うけど、みんなの気持ち考えたら、何とかしなきゃ、みたいな。機長さんよく許してくれたな」と話した。