吉本興業11館目の劇場が、大阪・中央郵便局跡地の西梅田スクエアに「よしもと西梅田劇場」として25日、オープンし、桂文枝(74)西川きよし(71)中田カウス(68)ボタン(69)ら芸人や、吉野伊佐男会長(75)大崎洋社長(64)ら総勢45人でテープカットを行った。

 午前11時からの初回公演前には、劇場内でセレモニーも行われ、司会はハイヒールが務め、カウス・ボタンらがあいさつ。吉本では長らく、ミナミに本拠地・なんばグランド花月(NGK)と、キタにはうめだ(梅田)花月を置いてきたが、うめだ花月は08年10月に閉館。今回、9年ぶりにキタに吉本の劇場が復活した。

 西梅田劇場では、前日24日にリニューアル休館したNGKの代替花月興行を12月まで行い、臨時ながら“うめだ花月”が復活する形。かつて、うめだ花月でオーディションを受け、初舞台を踏んだカウスは「デビューから50周年の節目に、また梅田に劇場が戻ってきた。いずれはここ(同劇場)が『梅田花月』になるんじゃないかと思っています。いや、もう、劇場関係者はその心意気やと思います。心してやってくれるんやないか。期待しています」。新劇場を機に“うめだ花月復活”を願った。

 また、師匠で先代の故5代目桂文枝さんに師事しようと素人時代から、うめだ花月を訪れていた文枝は「梅田で師匠の芸を見ているときに、吉本の方に(所属を)声かけられた」と思い出を口にした。

 きよしも、ヘレン夫人(70)と出会ったのが、うめだ花月で、「66年に(横山)やすし君とコンビを組むまでは、吉本新喜劇の通行人役で出させてもらってた。そこからお世話になって、もう53年…」と感慨にふけっていた。

 座席数は700席。今月から工事に入り、急ピッチの開業でもあり、テープカットからセレモニーで司会を務めたハイヒールのリンゴ(56)モモコ(53)は「楽屋が暑い」「楽屋のトイレ事情が…」と苦笑しながら報告。モモコは「暑いからマイ扇風機持ってきた」と言い、リンゴは「トイレは『家で済ませてきてください』って言われたけど、女性は…ねえ? どうしようかな?」と笑わせていた。