乃木坂46初の東京ドームコンサートが11月7、8日に迫っている。

 デビュー前から約6年間、乃木坂46を取材してきたが、正直当時は、恥ずかしながら、ここまでブレークするとは思っていなかった。乃木坂46がデビューした12年は、人気絶頂のAKB48がちょうど初の東京ドームコンサートを開催。翌13年には、東京ドーム4公演!を含む5大ドームツアーも行っていた。当時の乃木坂46メンバーから見れば、ちょっと遠い世界の出来事のようだったかもしれない。

 10月27日に日刊スポーツから刊行される「東京ドーム公演記念 乃木坂46新聞」の取材で、20人近いメンバーにインタビューを行った。メンバーによって感覚はさまざまだが、ブレークを実感したタイミングはデビュー4年目の2015年以降が多いようだ。特に、同年末のNHK紅白歌合戦初出場も大きいポイントだっただろうし、メンバーのファッション誌の専属・レギュラーモデル起用が次々と決まっていったのも同年だ。

 今やミリオンセールスも達成し、日本を代表するアイドルグループになった。それでもメンバーが口をそろえるのが、「私たちはまだまだです」というコメントだ。もともと謙虚で控えめながメンバーが多いグループならではとも言えるが、単にへりくだっているわけでもないようだ。掘り下げていくと、「誰もが口ずさめるような大ヒット曲」「自分を含め個々のメンバーの知名度」の2点が、主な課題としてあるようだ。

 「冷静なメンバーが多いな」とも感じるし、裏を返せば現状に満足してもいないようだ。円陣のかけ声「努力、感謝、笑顔、うちらは乃木坂上り坂」にあるように、6年間上り続けてきたグループ。「東京ドーム公演は憧れだったけど、ゴールではない」と話すメンバーも多い。東京ドームは坂のてっぺんとなるのか、はたまた中腹か。もしかしたらまだ、ふもとなのか。