テレビ朝日系で放送中のアニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」(日曜午前8時半)が、世界的な人道援助団体「国境なき医師団(MSF)」と、アニメ史上初めてコラボした。1日、制作の東映アニメーションが発表した。

 女優・美山加恋(20)が演じる主人公のキュアホイップこと宇佐美いちかの母さとみが、世界中の小さな村を回り医療人道援助に携わる医師という設定で、さとみが登場する回のたびに、インターネット上で「国境なき医師団を連想させる」という声が相次いだ。そのことを受けて、日本で設立25周年を迎えたMSFに、宇佐美いちかが、お祝いのコメントを送った。

 宇佐美いちか 私、宇佐美いちか! 伝説のパティシエ・プリキュアをやってます! 実は、私のお母さんも海外でお医者さんをやっていて、今は離れて暮らしてます。ちょっぴり寂しいなぁって思うこともあるんだけど、私、お母さんの仕事って本当にかっこいいって思ってるんです! お母さんみたいに世界の笑顔を守る皆さんの活動を応援しています! 宇佐美いちか(キュアホイップ)

 「国境なき医師団」は、1971年にフランスで医師とジャーナリストによって設立された、紛争や自然災害、貧困などによって命の危機にひんする人々に医療を提供する、非営利で民間の医療・人道援助団体で、世界28カ国に事務局をもつ国際的な組織。医師や看護師ら海外派遣スタッフと現地スタッフの合計約3万9000人が、世界約70の国と地域で「独立・中立・公平」の原則のもと、人種や政治、宗教にかかわらず援助活動を行っている。活動資金の95%以上は個人を中心とする民間からの寄付金によって支えられている。1999年にはノーベル平和賞を受賞した。

 MSF日本は1992年に設立され、2016年には107人のスタッフを、のべ156回、34の国と地域に派遣した。現在は、ミャンマーで国籍法から不法移民と見なされ、軍や仏教徒からの弾圧を受け、隣国バングラデシュに避難している、イスラム系少数民族ロヒンギャへの援助のため、現地での医療援助活動資金の一部を日本から拠出することを目指して募金活動をしている。

 一方、プリキュアは、10月28日に公開の「映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと! 想い出のミルフィーユ!」(土田豊監督、28日公開)が、同日と翌29日のオープニング2日間で動員17万0659人、興行収入1億9310万1900円を記録し、映画興収ランキング(興行通信社調べ)で首位に立った。プリキュア映画の同ランキングの首位は、12年の「映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ!」以来2度目と、04年「ふたりはプリキュア」から14年、続くシリーズにとって、歴史的な好スタートを切っている。