【タイ・プーケット10日=小谷野俊哉】今年初開催されたマラソン大会「プーケソン2017」に、茨城ゴールデンゴールズの監督兼選手、片岡安祐美(31)とお笑い芸人、おばたのお兄さん(29)が出場して完走した。1日に元DeNA投手でラーメン店主の小林公太氏(26)と結婚した片岡と、フジテレビ山崎夕貴アナウンサー(30)と熱愛中のおばたは、フルマラソンのゴール後、愛する人への思いを語った。

 スタート時間は、まだ暗い午前3時30分。それでも気温は26度と酷な条件の中、片岡とおばたがスタートを切った。2人は並んで走り始めた。

 女子野球元日本代表の片岡と日体大卒のおばた、ともにアスリートだが目標タイムは「楽しみながらの完走」。真っ暗な中、星がランナーたちを誘導した。だが、10キロ地点で片岡は左足が痛み出した。片岡は「明るくなるころには街中で足の痛みで景色を楽しむ余裕なんかなかった。一番きれいな眺めは最初の星の輝き」と話した。

 片岡を残してペースを上げたおばたは「調子が良くて4時間に挑戦しようとも思った。現地の人が『頑張って』と日本語で応援してくれました」。片岡は「私はタイ人に間違えられて、タイ語で応援してもらいました」と振り返った。

 当初快調に飛ばしたおばたも、その後古傷の左足が痛みだした。「今年の春と秋に出て、4位と11位だったTBSの『赤坂5丁目マラソン』より急な坂があったんです」。靴を脱いで足をもんでいたら地元の人が本物のタイ式マッサージを施してくれた。「どんどん遅れだして、34キロ地点で気づいたら、隣に片岡さんが走っていました」。

 片岡は「そこからは2人で励まし合ってゴールを目指しました」。おばたによると「片岡さんは『気合と根性』って100回くらい言ってました」とか。2人並んでゴール。499人中おばたは6時間14分58秒6で443位。片岡は0・1秒遅れの444位だった。

 フルマラソンは9年ぶり2度目の片岡は、前回の4時間11分からタイムを落としたが「体力の衰えと練習不足を感じました。22歳と、31歳の違いですね」と苦笑い。それでも愛する人からの励ましが、折れそうになる心を支えた。前日、テレビ電話で話した小林氏から「1つだけお願い。捻挫しても骨折しても、あなたは走っちゃいそうだから、その時はギブアップして。頑張って」と言われた。

 7日にタイ入りしたおばたは初フルマラソン。「前日は新潟の営業で気温0度で雪が降ってました。今年はいろいろあったけど、一番つらい仕事でした」。山崎アナからは電話で「仕事はこれだけじゃないから無理しないでと、甘やかされました」とのろけた。既に結婚後の初げんかをしたという片岡は「私が怒ってばかり。マラソンで忍耐力がついたかな」と笑顔。

 おばたは13年お笑いコンビ「ひので」でデビュー。昨年1月ピン芸人になり小栗旬のものまねでブレークした。今年は6月に山崎アナとの熱愛発覚や、同月の浮気報道、仕事の急増など激動の1年だったが「人生を3周したくらいの1年。彼女に感謝したい。ゆくゆくは結婚したいなと思っています」と、片岡に続いてのゴールインを夢見た。

 ◆片岡安祐美(かたおか・あゆみ)1986年(昭61)11月14日、熊本県生まれ。小学4年から野球を始め、中学は軟式野球部。01年12月、全日本女子メンバーに最年少の1人として選ばれた。熊本商では男子と練習。02年から05年まで女子野球日本代表に選出された。19歳だった05年に萩本欽一が監督だった社会人クラブチーム、茨城ゴールデンゴールズに入団。10年から監督兼選手。タレント活動もしている。153センチ。血液型B。

 ◆「プーケソン2017」 タイ・プーケット島で今年から始まったマラソン大会。12月9、10日の2日間にわたりフルマラソン、ハーフマラソン、ミニマラソン(10キロ)、景色を眺めながら走るジェリービーチラン、色とりどりの粉を掛け合いながら走るカラーファンランなどが行われた。