6日に亡くなった伝統芸能「太神楽(だいかぐら)」の曲芸師、海老一染之助さん(享年83)の葬儀、告別式が11日、東京都中野区の東光寺で営まれ、約60人が参列した。

 喪主の妻村井秀子(むらい・ひでこ)さん(81)は「主人の人生は芸一筋そのものでした。お客さまに喜んでいただくのが何よりの生きがいでした。今ごろは兄染太郎さんと、向こうで同じ舞台に立っていると信じています」と、02年に亡くなった染太郎さんとの“コンビ再結成”を願った。。

 秀子さんはさらに、染之助さんが自宅で転倒したのを機に、リハビリと入退院を繰り返すようになったことを明かし「稽古ができなくなって『悔しい、悔しい』と申しておりましたが、時がたつにつれ、穏やかな気持ちになったようです」。

 秀子さんは「皆さまに『ありがとうございまーす!』と言っていると思います」と、染之助さんに代わって参列者にお礼を述べた。

 タレント松村邦洋(50)は、デビューしたころ、学校寄席や予餞会などで海老一染之助・染太郎コンビと一緒になることが多かったという。「気さくで、新人の僕にも優しくしてくれた。浅草から群馬、栃木に行く時、(特急)りょうもう号に乗って、にぎやかな電車でした。いらっしゃるだけで周りが明るくなる、すばらしい師匠でした」と悼んだ。