1981年(昭56)に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載をスタートし、83年から3度、テレビアニメ化された漫画家・高橋陽一氏原作の国民的サッカー漫画「キャプテン翼」が、テレビアニメとして復活する。13日に都内のテレビ東京で行われた会見で発表された。18年4月から同系ほかで放送される。

 「キャプテン翼」は83年から88年まで「週刊少年ジャンプ」で連載。南葛小に転入してきた天才サッカー少年・大空翼が、全国のライバルたちとの戦いの中で1人のサッカープレーヤーとして成長していく姿を描いた。今回の新作アニメは、原作に忠実に漫画の1話から描いていく。会見に出席した高橋氏は「また、作っていただけるということで、本当にありがたい。原作に忠実ということで」と喜んだ。

 一方で、高橋氏は連載開始から30年以上が経過しており、時代設定を現代に置き換えることも明かした。「80年代と今とは世間の状況が違う。最近のお子さんにも楽しんでもらえるように、現代の設定で…今は携帯電話とかが、ある時代なので、細かい設定は変わります」と話した。ゲストの武井壮(44)が「戦術とかをタブレットで見たりですか?」と問いかけると「そうですね」と笑った。

 翼が走るバスの下にボールを通す、有名なシーンがある。ゲストの元日本代表MF北沢豪氏(49)が「バスの下にボールを通すのは、コンプライアンス問題で駄目ですね。(漫画の影響で駅の)ホームとホームの間でボールを蹴って怒られた」と思い出話を明かし、笑った。すると、高橋氏は「原作通りやっちゃうんです」と明かした。その後、公開された先行映像には、バスの下にボールを通すシーンが収められていた。北沢氏は「やっていましたね。ああいう発想、アイデアはサッカー選手にあたって大事なこと。教えられ過ぎるところがある。僕は影響を受けて(地元の都内の)立石の商店街をドリブルで抜けました」と笑った。

 今回、声優キャストも刷新された。主人公の大空翼を三瓶由布子、翼のライバル修哲小の天才GK若林源三を鈴村健一が演じる。三瓶は「まさか大空翼役の…と言える日が来ると思わなかった」と感激した。一方、鈴村は01年からテレビ東京系で放送された「キャプテン翼」(平成版)でも若林を演じており「15年が詰まった、練りに練った若林を演じたい」と意気込んだ。

 キービジュアルも公開された。オーバーヘッドキックをする翼と、身構える若林が描かれている。高橋氏は「翼の最初の物語は、若林との戦いから始まる。いいビジュアルですね」と喜んだ。そして今後の放送について「迫力あるシーンが楽しみですね。でも心の部分、熱い思いは時代が変わっても変わらない」と作品の精神性は不変であることを強調した。

 アニメはテレビ東京系で83年10月から86年3月まで全128話が放送された。94年からはフジテレビ系で「キャプテン翼J」が94年10月から95年12月まで全47話、放送された。そして01年10月から02年10月までテレビ東京系で「キャプテン翼」(平成版)全52話が放送された。またオリジナルビデオアニメとして「新キャプテン翼」が89年から90年まで全13話リリースされた。

 アニメ映画は85年に「キャプテン翼 ヨーロッパ大決戦」、「キャプテン翼 危うし! 全日本Jr.」、86年に「キャプテン翼 明日に向って走れ!」、「キャプテン翼 世界大決戦 Jr.ワールドカップ」、94年には「キャプテン翼 最強の敵! オランダユース」が公開された。

 その他のキャストは、岬太郎を福原綾香、石崎了を田村睦心、日向小次郎を佐藤拓也、ロベルト本郷を小西克幸が演じる。【村上幸将】