先日、来年のNHK大河ドラマ「西郷どん」(1月7日スタート、日曜午後8時)の第1話の試写を見ました。視聴率も内容も期待できそうな気がしました。理由は2点あります。

 1つは子役の使い方。大河の初回や朝ドラの第1週は子役を使うことが多く、先の雰囲気を読めないことがよくあります。「西郷どん」も西郷隆盛の12歳ごろの少年期を描いていますが、これまでとの違いがあります。少年を演じる渡辺蒼(13)が、主演の鈴木亮平(34)に顔がよく似ていること。同時に、描かれるのが幼少期からではなく、少年期のため、成長した姿を想像しやすいのです。そこで描かれる西郷の少年期は、生き生きとしていて、さわやか。弱い者に優しいキャラクターも十分に伝わりました。このまましばらく、少年期を描いても十分に見応えがあると感じたほどです。

 もう1つは、まるでロケかと思うようなスケール感のあるリアルなセット。これまでの大河ドラマのセットは、当然、電気の明かりがない時代ですから暗く固いイメージがありました。今回は貧乏な家という設定のせいもありますが、屋敷のセットは堅苦しくなく、庭はツリーハウスのような物もあり、屋外で撮影したのかと感じるほどリアルで心地いい空気感が漂っています。

 2つの理由で、無駄な重厚感と史実に忠実過ぎて堅苦しさを感じることもある大河にあって、生き生きとした主人公と全体的に躍動感あふれる雰囲気が漂う作品との印象を持ちました。平均視聴率は15%前後も期待できそうな気がします。