ピンク・レディーが、TBS系で30日放送の「第59回日本レコード大賞」(午後5時半)に39年ぶりに出演し、今年没後10年、作詞家デビュー50年を迎え、特別賞を受賞した作詞家・阿久悠さん(享年70)の、一夜限りのスペシャルメドレーを披露することが18日、同局から発表された。2人で歌うのは6年ぶりで「阿久先生がいなかったら、私たちピンク・レディーはありませんでした」(ケイ)と意気込んでいる。

 ピンクレディーは1976年(昭51)に日本テレビ系「スター誕生!」で阿久さんに見いだされ、阿久さんと作曲家・都倉俊一氏とのタッグによるデビュー曲「ペッパー警部」以降、ヒット曲を連発。レコード大賞では同年に新人賞、77年大衆賞、78年レコード大賞を受賞した。その存在を抜きに、活躍を語ることは出来ない“音楽の父”阿久さんの特別賞受賞を祝して、ピンク・レディーのミイとケイが39年ぶりにレコード大賞のステージに立つ。今回のスペシャルメドレーのためだけに、はマイケル・ジャクソンやレディー・ガガ、マドンナ等のデザインを行っているザルディ・ゴコがデザインを務めた特別衣装を制作することも決まった。

 ミー(未唯mie=59)とケイ(増田惠子=60)はTBSを通じてコメントを発表した。

 -阿久さんは、どんな存在?

 ミー 阿久先生は地球人とは思えないですね。学生時代をのぞいて見ていたかのような歌詞だったり、他では情緒あふれる作品も描かれていらっしゃる。でも会うたびに優しいまなざし、言葉を掛けてくださって、いろんなものを兼ね備えた存在だなって思います。全体像が見えないぐらい大きい存在ですね。

 ケイ 偉大な父のような方です。語弊があるかもしれないですが、「神がかった父」ですかね。後光がさしている。ちょっと近づきがたくて、遠くで月の光のように優しく照らしてくださるような存在でした。阿久先生がいなかったらピンク・レディーの存在はないですね。言い切れます。阿久先生おひとりではないですが、阿久先生、都倉先生、何と言っても土居先生の振り付け、この3つがそろってなかったらピンクレディーという存在はここまで大きくなってはいなかったと思います。本当に阿久先生は自分の人生を変えてくれた大切な存在です。

 -新人賞、大衆賞、大賞を受賞した3曲への思い出は?

 ミー 「ペッパー警部」は念願かなってのプロデビューだったので、本当にうれしかった曲です。「ウォンテッド」は、衣装も好きでした。リリアンのワンピースがうれしかったのと、笑わないで歌う内容に、こういう曲も歌えるんだって思った記憶があります。「UFO」はびっくりしましたね。“地球の男に飽きたところよ”って、自分の存在が何なのだろう。何か使命を受けて地球にやって来て、こういう曲を歌わせてもらっているみたいな、そんな曲でしたね。

 -曲の思い出は?

 ケイ 当時は、UFOが題材になるってどんな歌詞なんだろうって。恋愛の歌なのに最後が、地球の男に飽きちゃう。阿久先生ワールドというか、見ている世界が違うというか。宇宙人に会ったことがない人だったら、ああいう歌詞を書かないんじゃないかって。なので、今でも阿久先生は宇宙人または、宇宙人に会ったことがある、または、宇宙人に愛された人だと思っています。

 -ピンク・レディーの活躍について阿久さんは何か言ってくれましたか?

 ミー 当時は番組でご一緒になった時にごあいさつをする程度でした。最後にゆっくりお話できたのが2003~2005年のツアーが終わった後に、阿久先生がお食事会を開いてくださって「よく頑張ったなぁ、ピンク・レディーの作品を考えるのはすごく楽しかった。僕にピンク・レディーを語らせたら何時間でもしゃべっていられるんだよ」って目を輝かせて楽しそうに話されたのが、とても大事に思ってくださっていたんだなってうれしく聞いていました。

 -阿久さんは亡くなられて10年ですが?

 ミー ピンク・レディーは4年と7カ月あの時代に活動して、あれから35年以上たつのですが、そんな中でも多くの人たちがいまだに愛してくださる楽曲ばかりなんです。なので自分が元気なうちは大切に歌い、皆さんにお伝えてし続けていきたいです。きっと阿久先生は見ていると思うので、感謝の気持ちとともに思いっきり出し切って、楽しく歌わせていただこうと思います。

 ケイ 6年ぶりに2人で歌います。毎年命日にお墓に行って、毎年先生といろんなお話をして、この6年間でまた2人で歌えるときがくるといいなっていう話もしていて、あ、先生やっぱり宇宙人だと思って。先生がまた2人で歌う機会をくださったんだなって、先生ありがとうって気持ちで歌いたいなって思います。

 -意気込みを

 ミー 二人60歳な感じ(ミーは現在59歳)なので、どこまでできるかわかりませんけども、今のベストを尽くして皆さんに喜んでいただけるように頑張ります。ぜひ楽しんでください!

 ケイ 当日楽しんで、阿久先生に届くようにパフォーマンスしたいと思います。