昨年のNHK紅白歌合戦の「楽屋話」を1つ。

 欅坂46のキャプテン菅井友香の礼儀正しさに感心しました。

 会場となったNHKホールで記者が取材できるエリアは、廊下の一角のみ。そこでは、目の前を足早に通るタレントに「ちょっと、ちょっと!」と声をかけて、コメントを取ります。

 入れ代わり立ち代わり、出演者が目の前を行き来します。そこで、目撃したのが、歌い手だけではなく、大勢のダンサーたちにまでも「お疲れさまでしたっ」と元気に声をかけて頭を下げる菅井の姿でした。

 ある歌手のバックで踊ったダンサーは約100人。菅井は彼ら彼女らの「1人1人に」とまではいかなくても、ず~っと「お疲れさまでした」と声をかけ続けていました。

 記者がいたのは約3メートル(推定)の幅がある廊下で、菅井のちょうど向かい側。失礼ながらずっと観察をしていました。

 他のタレントで、こんな人はいません。知り合いが通れば「あっ、どうも」的なあいさつはするでしょうが、見知らぬ人に声などかけません。

 ちなみに菅井の隣にいた有名な女性グループは、キャピキャピしながら、スマホで記念撮影をしていました。

 振り返れば10年以上前。ゆずの2人にも、同じ廊下で礼儀正しさに感心した記憶があります。当時は壁に大型テレビが設置してあって、取材陣はテレビの反対側に陣取っていました。

 テレビと記者の間をタレントが行ったり来たりするわけです。あの日、通る際に身を少しかがめ、申し訳なさそうに通ったのがゆずだったのです。「へぇ~、礼儀正しいな」と感心しました。

 あの日以来、記者の心中では菅井友香が欅坂のイチ押しです。