テレビ朝日の早河洋会長(74)は23日、都内で、来年4月から開局60周年記念番組として1年間、倉本聡氏(83)が脚本の「やすらぎの刻(とき)~道」(月~金曜午後0時30分)を放送することを発表した。

 同時間帯は昨年4月から「帯ドラマ劇場」として創設、倉本氏脚本の「やすらぎの郷(さと)」を半年、その後は「トットちゃん!」を3カ月、現在は3月まで滝本美織(26)大地真央(61)主演の「越路吹雪物語」を放送中だ。

 早河会長が倉本氏に「やすらぎの郷」に続く作品を要請。1年間を通して放送する準備のために、今年4月から1年間は帯ドラマ劇場を休止する。早河会長は「開局60周年ということで、1年間放送する。休む1年間は、情報番組『ワイド!スクランブル』を放送します」と説明した。

 物語は「やすらぎの郷」のシーンから始まり、石坂浩二が演じる脚本家が発表する当てのないシナリオを書き始める。山梨を舞台に昭和の戦中、戦後、平成を生きた無名の夫婦の生涯を描く。主役となる夫婦の妻を清野菜名(23)、八千草薫(87)がリレーで演じることが決定している。

 倉本氏は「東京ファーストという言葉に、私は疑問を持つ。都会という砂上の楼閣に暮らしていても、人はふるさとの原風景を心の中にひそかに刻んでいる。このドラマは日本の豊穣(ほうじょう)の歴史をたどりながら、それに翻弄(ほんろう)される一組の夫婦の幸せへの郷愁を探り、描くものである」とコメントしている。