米映画「ハムナプトラ」シリーズなどで90年代から2000年代にかけて人気を博した俳優ブレンダン・フレイザー(49)が、第一線から姿を消した理由がハリウッド外国人記者協会(HFPA)の会長からセクハラ行為を受けていたことが原因だったと告白した。

 2000年代に入ってから出演作が減り、次第に表舞台から姿を消していたフレイザーは、同協会の元会長フィリップ・バーク氏から03年にセクハラを受け、うつ状態になったとGZ誌のインタビューで明かした。HFPAの昼食会に出席した際、「彼の左手が僕の尻をつかみ、1本の指が尻の間の部分に触れて指を動かしてきたんだ。気分が悪くなり、小さな子供のように感じた。泣いてしまいそうだった」と語った。

 家族にはセクハラ行為について打ち明けたものの、公にする気にはなれなかったと語っている。セクハラ後に「悪いことをした覚えはないが、気分を害することがあったなら意図したものではない」と言う内容の謝罪の手紙を書いたと言われるパーク氏はその後、会長からは退いたものの現在もHFPAの会員であり、同誌の取材にセクハラ行為を行ったことを否定している。フレイザーはハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ行為が公になって以降、多くの女優らがセクハラ被害を訴えたことで、自らの体験を公にする決心がついたようだ。HFPAはセクハラに断固として立ち向かうと声明を発表し、同氏の疑惑について調査する方針を示している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)