作曲家、音楽プロデューサーの村井邦彦氏(72)がエンターテインメント業界に大きな貢献をしたプロデューサーを顕彰する「第13回渡辺晋賞」を受賞し、2日、都内で開かれた授賞式に出席した。

 村井氏は1967年(昭42)に作曲家としてデビュー後、松任谷由実(64)やティン・パン・アレー、YMOらをプロデュース。作曲家としては、ザ・テンプターズ、ザ・タイガース、ジャッキー吉川とブルー・コメッツ、ザ・モップス、ピーター、赤い鳥らに曲を提供し、昭和後期の日本の大衆音楽を支えてきた。

 音楽だけでなく、映画や舞台、ドラマなどのエンターテインメント全域での活動も評価された。

 選考委員の三枝成彰氏(75)は、受賞理由について「70年代から80年代にかけて、大きな転換期を作った」としている。

 同賞は、故渡辺晋さんが創業した芸能プロ「渡辺プロダクション」の創業50周年を機に、エンターテインメント界に大きく貢献したプロデューサーを顕彰する賞として06年に創設された。授賞式では、主催の一般財団法人渡辺音楽文化フォーラムの渡辺美佐理事長から、トロフィーと副賞100万円が授与された。村井氏は「この受賞がバネになって、またもう1発ジャンプしようと思っています。」と話した。

 授賞式には「第12回渡辺晋賞」受賞者の矢内広氏と松任谷由実が駆け付けた。花束を贈呈した松任谷は「こうしてお祝い、ご恩返しができるのも、村井さんに『荒井由実』として、この世界に送り出していただいたからです」と感謝の気持ちを述べた。