俳優井浦新(43)が17日、東京・渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷で、主演映画「ニワトリ★スター」(かなた狼監督)の初日舞台あいさつに出席した。

 自堕落な共同生活を送る2人の男と、それを取り巻く異様な人たちとの暴力や愛を描いたファンタジー作品。井浦は、10年来の付き合いという、かなた監督の初監督作品で主演を務めたことに感慨深げ。「出会ったときに約束したんですよ。『いつか映画を作りたいね』って。『そのときは絶対、役者として参加してくれ』と言われた日から10年たって、今日こうしてスクリーンで上映されます。初日を迎える監督に『ありがとう。おめでとう』と言いたい」と祝福した。

 井浦とは知人を通して知り合ったというかなた監督は、当時をなつかしそうに振り返った。「友人の家でたまたま絵を描いてた時でした。(井浦に)『ここ、黒く塗ってくれるか』と(いうようなやりとりだった)。そういう数時間を過ごしただけだったけど、いつか表現者として決着をつけたいという思いはあった」。シャック、マグナム弾吉ら、出演者の多くがもともと監督の知り合いでもあり、「家族が帰ってきた安堵(あんど)感がある」と本音をポロリ。気の合う仲間たちと作り上げた作品に、「1等賞を取ったことはないけど、そんなものを超えたものになった。一生映画を作り続けても、これ以上はないだろう」と感謝した。

 LiLiCoは、2人が住むアパートの管理人を演じており、序盤には成田凌とのラブシーンもある。「プライベートはあんな感じじゃないですよ」と照れつつ、成田については「今はスーパースターだけど、誰とそういうシーンをするのかと思って、(見たら)『まあかわいい』と思いました」と第一印象を明かした。その場面がクランクイン直後のシーンで、井浦は「そこでLiLiCoさんが落とした現場の熱量が、基準になる。ものすごくハードルを上げてくれた」と、LiLiCoの熱のこもった演技に感謝した。

 ほか紗羅マリー、ペロンヤスが登壇した。