映画監督の蔦哲一朗氏(33)が、祖父蔦文也監督が率いた池田高校野球部の地元、徳島県三好市のPR動画「酒蔵の三姉妹」を製作した。

 三好市は池田高の所在地・池田町など周辺町村が合併して05年に誕生した。人口2万7000人弱の山間地域だが、四季によって大きく移り変わる景色や、秘境のごとく、そのままの自然が残っていることから特に外国人に人気。16年度は4万人以上の外国人が訪れた。17年度温泉総選挙の外国人おもてなし部門に市内の大歩危(おおぼけ)・祖谷温泉郷が1位に選ばれるほどだ。徳島県内で最も移住者が多い自治体にもなっている。

 哲一朗監督も13年に映画「祖谷物語-おくのひと-」でノルウェー・トロムソ国際映画祭でグランプリを獲得するなど、三好市に根ざした活動を続けている。「酒蔵-」は地元の酒蔵「三芳菊」の3姉妹が新酒を仕込んで販売するまでを6分間にまとめて「youtube」で公開した。冒頭と締めくくりで文也監督の記念碑や名言が登場するなど、祖父と祖父が愛した故郷をリスペクトする要素も含まれている。

 哲一朗監督は「過疎化を阻むべく、移住やサテライトオフィスの受け入れを積極的に行ったり、『四国酒まつり』などの町おこしを若者たちが中心となって盛り上げております。そんな新しく生まれ変わった三好市の今の姿を、映像で楽しんで頂けましたら幸いです」と話している。