芸能界屈指のきれい好きとして知られる坂上忍(50)が、全国の気になる汚れを大掃除するテレビ東京系日曜ビッグバラエティ「ニッポン激ヤバ地帯を大掃除! 坂上忍のピカピカ団2」が、25日午後7時54分から放送される。坂上率いるピカピカ団は今回、若者の聖地として知られる東京・渋谷センター街に足を運び、50カ所以上の落書きを落とした。12日夜、渋谷で清掃作業を行った坂上らピカピカ団の活動に密着したリポートと、坂上へのインタビューを2回にわたってお届けする。

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 坂上が、若者を中心に人々がごった返す夜の渋谷センター街に姿を現すと、周囲には一気に黒山のような人だかりが出来た。坂上は、同街で最も被害を受けていた沖縄料理「やんばる」を視察。ペンキなどが何層にも塗り固められた落書きだらけのシャッターを、お笑いトリオ・パンサーらが朝までかかって落として真っ白にした。店長から「みんなすがすがしく仕事が出来ています」と感謝されると坂上は笑みを浮かべた。

 17年12月10日に放送された第1弾では、東京・新宿ゴールデン街の46カ所に書かれた落書きを徹底的に除去した。それが話題となって実現した今回のターゲット・渋谷センター街には、番組調べで100カ所以上も落書きがあった。制作サイドは、渋谷センター商店街振興組合の許可を取り、1週間かけて壁に落書きが書かれた店舗とビルの所有者に交渉し50カ所の落書きを掃除する許可を得た。並行して、落書きを消して欲しい人も公募し、4件のリクエストがあった。併せて警視庁に、深夜0時から翌朝7時まで作業する許可も取った。

 落書き消しは、2月下旬からスタートしたが、渋谷センター街での作業は困難を極めた。新宿ゴールデン街の落書きは、文字や線画など線で書かれたものが主体だったが、渋谷センター街の落書きは、壁一面を使って書かれたものが多く、大きさや範囲はけた違いだった。落書きはペンキが何重にも塗り固められた層になっており、ステッカーが張られた所も少なくなかった。さらに、地上3階あたりから上に書かれた落書きもあり、足場を組まないと除去作業自体出来ず、高さ7・5メートル、長さ9・5メートルの足場を組んで作業したところもあった。

 坂上は視察後、センター街の裏側に向かうと、壁1面には文字と画が書かれていた。そこで、第1弾で新宿ゴールデン街の落書き除去に挑んだ、山梨から来た落書き消しのプロ集団が作業を始めていた。坂上は現場に到着するなり「指示していただければ、何でもやります」と言い、作業着に着替えて高圧洗浄機「エコロビーム」を手にすると、「行きま~す!!」と、ときの声を上げ、腰を落として高圧水を放射した。

 エコロビームは、重曹を混ぜた水を20メガパスカルという高圧で当てることで、壁の汚れや落書きを削り落とすように落とす洗浄機で、手に持つ放水ポンプ部「ガン」だけで約5キロの重さがあり、かなりの力仕事だ。坂上は水に混じって周囲に飛び散る、削り落とされた塗料を頭から浴びながら「気持ちいい!!」と絶叫。5分ほどで壁1面に書かれた落書きと画を完全に消し去った。

 今回の企画には、山梨の業者のほか、ステッカーはがしの業者、渋谷センター街のヨシモト∞ホールで日々、お笑いの修業に励む若手芸人23人も含むのべ110人が参加。落書きの除去に2週間、その後、塗装などに1週間をかけ、放送2日前の23日に、50カ所の落書きの除去を終えた。

 坂上は開口一番「ピカピカにするのが難しい度のハードルが相当、高くなっている。それをピカピカにするスペシャリストの腕がバージョンアップしている。本当にビックリした」と語った。そして「僕は渋谷で許可が降りてビックリした…あり得ない話なので。やっぱり1回目のオンエアがあったからでしょうし、あれを踏まえてスタッフの方々が街の方と前回以上に深くつながりを持ってくださったから出来たことだと思う。今回、やって…何か、続けたいなと思いましたね。ライフワークになる要素が、とても詰まった番組だったんだというのが遅まきながら実感した」とライフワークとして、街を美化する番組の継続を誓った。

 放送当日25日の第2回は、坂上がニッカンスポーツコムの取材に応じたインタビューをお届けする。【村上幸将】