近畿大学OBで音楽プロデューサーのつんく♂(49)が1日、大阪府東大阪市の同大学で開かれた入学式にプロデューサーとして登場した。式典の演出を担当するのは5年連続。

 つんく♂がサウンドプロデュースを手がける近大生ユニット「KINDAI GIRLS(KG)」が歌と踊りを披露した。

 KGはつんく♂が書き下ろしたオリジナル曲「Free Your Imagination」を熱唱。式典のテーマは同曲と同じ「Free Your Imagination(想像力を解き放て)」だった。

 同曲のCDがこの日発売された。KGがCDを発売するのは初めて。式典後、同メンバーの1人が「紅白に出たい」と大きな目標を掲げると、「モーニング娘。」ら数々のアーティストのプロデュースしてきたつんく♂はモニターに通して言葉を映し出した。

 「紅白? 学生たちは準備期間がたくさんあるし、プロのアイドルよりもアイデアなど時間をかけて作り込むことができる」

 さらにブレイクの1つの手段として「いまの時代感覚を生かして、SNSなどを通じて、世界に発信していくことも可能だと思っている。その分、厳しくなるのでKGたちがついてこれるかな。新入生が約7300人いるので全員がCDを買ってくれたら(笑い)」とジョークをまじえながらつづった。

 式典にはフィリピン出身の歌手、Beverlyがサプライズゲストとして出演。つんく♂がギターを伴奏して「Happy now」を披露した。

 つんく♂は15年度の入学式では、喉頭がんの手術で声帯を摘出して声を失ったことを公表した。今年は新入生に門出を祝うメッセージとして「今日ここには、志望校として見事近畿大学に入学した人もいれば、滑り止め合格の不本意入学生もいるでことでしょう。でもね、そういうことではなくって大事なのは大学生活で何を得るか、何を学ぶかだと思いませんか?」と呼びかけ、「今までの自分の常識ではない新しい何かに一緒にチャレンジしましょうよ」と訴えた。

 式典後、つんく♂は取材に応じた。プロデュースを始めてから初めて。「日本一志願者数が多い大学としてエンタメ性の高い日本一の入学式になったと思う」とメッセージを打ち込んだ。