女優安田成美(51)を久しぶりに取材した。横浜・そごう美術館で開催中の「ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展」(5月13日まで)でトークショーに出席したのだ。「レースに関してだけ」と広報担当者から制限された囲み会見でも、夫のとんねるず木梨憲武(56)について聞くと、笑顔で答えてくれた。多才な木梨のことを「尊敬しています」と言い切った安田だが、途中でふと気が付いて「なんか私、主人の通訳みたいになっていますね」と苦笑いした。

 安田と木梨は94年1月に結婚して、披露宴は約500人を招いて豪華客船の上でおこなわれた。藤井フミヤが石田ひかりと筒井道隆主演のフジテレビ系月9ドラマ「あすなろ白書」の主題歌「TRUE LOVE」をギターを手に生歌披露するなど話題を呼んだ。

 当時はワイドショー全盛時代。人気者同士の交際とあって、結婚までは激しい取材合戦が繰り広げられた。今は芸能人の実家に直撃取材すると事務所関係者からおしかりを受けることもあるが、当時はのんきな時代。東京・祖師谷にある木梨の実家「木梨サイクル」に行くと、息子の憲武にそっくりのお父さんが「しゃべっちゃ、いけないんだよね~」などと応じてくれた。

 そして、定期的に流れるのが「明日にも結婚!」という情報。一度、その情報が流れたとき、木梨は東京・砧のTMCスタジオでフジテレビ系「とんねるずのみなさんのおかげです」の収録中。押っ取り刀で駆けつけると、ワイドショー全局が門の前にカメラを据えて、木梨を出待ちしていた。フジテレビの前田忠明リポーターが「同じ局だけど、中には入れてもらえないんだよね」とぼやいていたので、記者は「僕に任せてください」とスタジオの中へ。

 放送記者としてTMCは、よく出入りしていたので勝手知ったる場所だが、収録スタジオの周りは徹底ガード。スタジオ入り口にある喫茶レストラン「今昔庵」の名物マスター福田起弘さんに、それとなく収録の進み具合を聞いたのが懐かしい。記者は、もう四半世紀も「今昔庵」のオムライスを食べていることになる(笑い)。

 木梨と安田は、今年で結婚して24年。来年は25年、銀婚式だ。木梨が毎年、美術館で自らの作品を展示する時は、安田もタイトルや配置に意見を出すという。自らのレース編みと、木梨の作品とのコラボを提案されると、安田は「私は趣味程度。もう少し上手になったら、気が変わるかも。おばあちゃんになるころにできたらいいですね」。おじいちゃんになった木梨とおばあちゃんになった安田のコラボした作品を見てみたい。