市川崑監督の金田一耕助シリーズや古くは森繁久弥の「社長シリーズ」で知られる草笛光子(84)の若々しさに感服した。

 女優文音(30)とダブル主演した映画「ばあちゃんロード」(篠原哲雄監督)が先日公開され、草笛も舞台あいさつに立った。映画は車椅子生活の祖母が孫に励まされ、その結婚式を目標に元気を取り戻す物語。足取りも軽く壇上に上がった草笛は「どちらかと言えば動き回る役が多かったので、今回は車椅子の静の演技が一番難しかったですね」と言う。白のパンツスーツ姿で、文音の赤いドレスを見ながら「今日の衣装の色を見ると、私の方が花嫁みたいね」とほほ笑んだ。

 介護士役の桜田通(26)は「屈伸をするシーンでは、草笛さんの体が柔らかすぎてどんどん曲がるので、どこまで押していいのか怖くなるくらいでした」と振り返る。草笛は「どの変で痛がったら自然なのか、その辺りを監督さんに相談しましたね」と笑った。

 撮影前、草笛の出演作のタイトルが「ばあちゃんロード」であることを聞いた友人は「今度はバイクで高速道を走るの?」と聞いたそうだ。周囲がそんな想像をするほどの、「奇跡の84歳」と言っていいのかもしれない。