沖縄で開催中の「島ぜんぶでおーきな祭 第10回沖縄国際映画祭」で21日、俳優阿部寛(53)が主演映画「のみとり侍」の舞台あいさつに出席した。

 阿部は、エリート侍から主君の逆鱗(げきりん)に触れて一転、猫ののみとりをして暮らすのみとり侍に左遷される役。その実態は、猫の飼い主の相手をする“売春夫”。女性を喜ばす技を身に付けるため、先輩のぬれ場を盗み見て学ぶ。

 鶴橋康夫監督(78)とともに登場した阿部は「ぬれ場があるから恥ずかしいですね。監督に最初に会った時に『今回は童貞をやってもらうから』と言われました。精神はほぼ童貞です。鶴橋さんの作品はエロス、人間の内をえぐっている」と話したし。

 鶴橋監督は「半裸以上全裸未満でやるかない。阿部寛は大学(中央大)の後輩で、30数年前から会っています。僕が1番のファンで、彼と一緒に仕事をしたいと思っていました。彼は含羞(がんしゅう)の人であり、真面目な人であり、愛の人。今、ここに一緒に立っているのは光栄」。阿部は「30数年前に役者をやり始めた時に鶴橋さんと食事会で会いました。役者にすごく信頼されて愛されていた。事務所の社長に『阿部もいつか、鶴橋さんの作品に出られたらいいな』と言われた。ガッツリと組んでやらせてもらうのは初めてで、感慨でいっぱいです。若い頃に思った、監督の偉大さが今もよみがえってきます。現場では、包み込まれるように愛をいただきました」と話した。

 鶴橋監督は「もう1回、時代劇をやりたい。今度はファックなしで」。阿部は「日本の時代劇は減っているけれど、これを機にもっともっと栄えてほしい」と話した。