声優で女優の“はるかぜちゃん”こと春名風花(17)が23日、都内で行われた「DIVERSITY IS STRENGTH(ダイバーシティー・イズ・・ストレングス)」キャンペーン発表会に登壇した。春名はダイバーシティー=多様性を推進するイベントの席上で、9歳でツイッターを始め、10年の東京都青少年育成条例の改正に反論した際、「子どものくせに」とバッシングされた過去を踏まえ、人に相談したり、受け入れてくれる人を見つけることの重要性を強調した。

 春名は、幼少期から漫画やアニメを愛好してきた。その中、10年に東京都青少年育成条例が改正され、強制わいせつや性的暴行、児童買春などが是認されているかのように、詳細に、繰り返し描いたアニメや漫画を、都知事が不健全図書として指定できることになった。それに対し、春名は10年12月にツイッターで「ぼくたちはいいまんがも、悪いまんがも、ちゃんと自分でえらべます」とツイートで反論したが、多くのバッシングを受けたという。

 春名は「都条例で、未成年に見せてはいけないだろう書物を規制するの(規定)が出来まして、その中に自分が好きな漫画が入っていたんですね。それについて『子どもだって自分が読んでいいものを選べるぞ』ということを言ったら『子どもが意見するな』という意見をたくさんいただきまして。その当時は結構、過激な言葉ばかりでしたし、怖かったし、だんだん自分だけじゃなくて、周りの人にまで被害が及ぶことがあって、悩んだこともたくさんあった」と振り返った。

 そして「自分の巻き添えになって被害を食らった人たちが『大丈夫だよ。私もあなたのことが好きだし、全然、嫌なことだと思ってないから、そのままでいていいよ』と言われたことがあって。それを聞いて、受け入れてくれる人がいるんだと思って乗り越えた」と強調。「SNSは不特定多数の人から相手の顔も見えない状況でひどい言葉を浴びせられる状況はあったけれども、SNSの中にも自分を受け入れてくれる人はいたし。1番、早く苦しみを何とかする方法は人に相談すること、受け入れてくれる人を見つけることなのかなと自分の経験から思います」と強調した。

 また、いじめの問題についても言及。「いじめられっこに原因を見いだすのは、いじめっ子がいじめたいという思いがあるから。多様性を受け入れることが、いじめがなくなるとは思いませんが、いじめはしにくくなると思う。みんなに『違うのって、当たり前だよね』という共通認識があれば、違いを受け入れないって、どうなの…というのが当たり前になり、いじめのハードルが変わると思う」と持論を展開した。

 この日は栗原類(23)、元大関のKONISHIKIこと小錦八十吉(54)、元フェンシング日本代表でトランスジェンダー活動家の杉山文野氏(36)、ラグビー元日本代表の大畑大介氏(42)、ラグビー元ニュージーランド代表のリッチー・マコウ氏(37)らが登壇し、性や人種などの枠を超えた多様性の重要性を訴えた。【村上幸将】