18日にNGT48を卒業して女優に転身した北原里英(26)が、今日24日に生誕70周年を迎えた故つかこうへいさん(享年62)の名作「新・幕末純情伝」(7月7日~30日、東京・紀伊国屋ホール)の舞台に主演することが23日、分かった。卒業翌日の19日に新潟から帰京し、演出家の河毛俊作氏と初対面した。

 「新撰組の沖田総司は女だった-」という斬新な設定でなじみの同作は、91年の牧瀬里穂主演映画で人気に火がつき、その後も舞台では、藤谷美和子、広末涼子、石原さとみ、鈴木杏、桐谷美玲、河北麻友子、そして昨年と一昨年には、SKE48卒業生の松井玲奈が演じてきた。まさに若手美人女優の登竜門的なヒロインだ。北原も「歴代はすごい方々ばかりで、特に玲奈ちゃんとは比べられると思うので、私ならではの全く違うヒロインをお見せしたいです」と意気込んだ。

 すると河毛氏には「原作小説のハードエロティックな世界観でいくから」と、アイドルからの脱皮を求められた。同作では、主演女優が胸をもまれるシーンが有名で、財務省福田淳一事務次官のセクハラ疑惑発言が、現代風刺のセリフとして使われる可能性も高い。さらに河毛氏は「つかさんは、スターは屍(しかばね)の上に立つと言われていた。女優は、同性の嫉妬や羨望(せんぼう)といった悪意を受けて、磨かれるんだ」と助言された。

 これまで、人一倍に仲間思いで穏やかな性格だった北原は「今までの私と正反対ですが、これが独り立ちするってことですね。卒業のふわふわ気分が吹き飛びました!」と背筋を伸ばした。触れる男は全てぶった切る。非情な人斬りとして新しい扉を開く。