「ザ・ワイルドワンズ」「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」ら、1960年代に爆発的な人気を呼んだグループサウンズ(GS)のメンバー6人が集まった公演「THE G.S 栄光のグループサウンズ」が10日、東京・中野サンプラザで行われた。

 公演前に取材に応じた、ブルー・コメッツ三原綱木(72)は「この公演は若返りの薬です。70代だということを忘れて、10代の少年がやっている感じ。楽しくてしょうがないしストレス解消になる。あと10年、20年とみんなで元気にやっていきたい」と笑顔を見せた。公演が決まってからの約2カ月間は毎日、深夜までギターの猛練習を重ねてきたという。「カミさんに『音が近所迷惑だから止めて』と言われた。練習をしすぎて、指にまめができたよ」と笑わせた。

 公演では、自分たちのグループ以外のヒット曲も演奏をする。ザ・ワイルドワンズの島英二(70)は「全部をおさらいしました。多くの名曲があることが分かった」。鳥塚しげき(71)は「すごく新鮮だし、もう1度グループサウンズの爪痕を残したい」。植田芳暁(70)も「ジジイでも気持ちは少年。意地があるから、『疲れた』とは言いたくない」と続いた。

 ザ・ゴールデンカップスのメンバーで、現在はゴダイゴで活躍するミッキー吉野(66)は「一番の後輩なので、間違えちゃいけないとプレッシャーです」と笑わせた。

 ミッキー吉野は2日に死去したザ・スパイダース井上堯之さん(享年77)とかつて、バンドを組んでいたことがある。「毎年、必ず年賀状をいただいた。仕事を突き詰める人で、言葉にもギターにも説得力がありました」としのんだ。

 公演では「長い髪の少女」「青い瞳」「小さなスナック」「ブルー・シャトウ」など30曲を約2時間半かけて披露。三原は「自分たちは『G.S』という新しいグループです」と約2000人に呼び掛けて盛り上げた。

 同公演は6月に福岡、7月に大阪、10月に群馬、11月に神奈川でも行われる。

 また、この日のライブの模様は、CS放送「歌謡ポップスチャンネル」で8月12日午後5時から放送される。