「グランド・ブダペスト・ホテル」などで知られるウェス・アンダーソン監督(49)の新作「犬ヶ島」(25日公開)のプレミア試写会が22日、都内で行われた。天才の名をほしいままにする監督が選んだ題材は日本を舞台にした異色のストップモーション・アニメ。

 「この6年間、寝ても覚めても日本のことばかり考えてきました。だから2年半前に生まれた娘も感化されて、今回の来日をクリスマスのように楽しみにしていました」と、家族同伴の喜びを明かした。

 映画は少年と5匹の犬の冒険を描く。「犬と少年のイメージが頭に浮かんだとき、黒沢(明監督)さんならどう撮るだろうか、その考えにそって映画を作りました。広重や写楽のイメージも頭に浮かびました。日本の偉大な芸術家への思いがいっぱい詰まっています」と日本愛を強調した。

 コーユー・ランキン(11)ジェフ・ゴールドブラム(65)野村訓市(44)夏木マリ(66)村上虹郎(21)伊藤晃(36)池田エライザ(22)と声優陣も勢そろい。夏木は「おばさん役をもらって、あまり深く考えずに声を入れました。今になって思うと私の声がウェス・アンダーソン作品の一部になっている。改めて感激しています。世界でいろんな言葉で吹き替えられると思いますが、日本版がオリジナル、パーフェクト版です」と感慨深げだった。