今月16日に急性心不全で亡くなった歌手西城秀樹(さいじょう・ひでき)さん(本名・木本龍雄=きもと・たつお、享年63)の通夜が25日、東京・青山葬儀所で営まれた。「新ご三家」と呼ばれた野口五郎(62)郷ひろみ(62)ら芸能関係者や親族ら1500人、ファン2500人の4000人が参列した。郷は涙ぐみながら「まさかこんなに早くに…」と悼んだ。葬儀・告別式は今日26日、同所で営まれ、郷と野口がそれぞれ弔辞を読む。

 早すぎる盟友の死に、郷も目を潤ませた。今月27日から始まる全国ツアーの直前リハーサルの合間を縫って駆けつけた郷は、野口と並んで焼香した。

 「残念ですね…。早すぎる。残された(秀樹さんの3人の)子どもたちを見て余計に…。手を合わせて、さらにヒシヒシと実感します。ポッカリと大きな穴が開いてしまった」と悲しみに暮れた。

 同学年の「新ご三家」は、70年代にトップアイドルとして競い合った。それぞれに相違点と共通点を持ちながら、対照的なキャラクターを光らせた。郷は「それぞれに独特の個性を持っていたからこそ、新ご三家と呼んでもらえた」。野口が長男、秀樹さんが次男、郷が三男。郷にとっても、秀樹さんはずっと背中を見てきた存在だった。「僕が16歳でデビューしてずっと一緒に育ってきた。ダイナミックで、僕にはない精神性があった。『傷だらけのローラ』はスケールが大きいし、『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』はみんなが1つになって笑顔になれる。忘れられない曲はたくさんある。次男が先に逝くのはどうなんだろうなあ…」。

 最後に会ったのは2年前。「週刊新潮」の企画で、新ご三家の座談会を行ったときだったという。この日の会場には、その時に撮影されたスリーショットのボードが置かれた。「その時は、まさかこうなるとは思わなかったので…。45年間、それぞれファンの人に支えられていて、これからも歌い続けていこうと話しました」。

 この日会場で並んだ野口とは軽く会話を交わしたといい「本当に残念だと。毎日泣いていると言っていました。僕よりもはるかに秀樹に近い存在でいたと思う。悲しみは想像つかないぐらい深いと思う」とおもんぱかった。

 秀樹さんは4月25日に横浜市内の自宅で倒れ、意識が戻らないまま急性心不全で亡くなった。

 郷と野口は、今日26日に営まれる葬儀・告別式でそれぞれ弔辞を読むことが決まっている。司会はフリーアナの徳光和夫(77)が務める。秀樹さんとの最後のお別れの場が、新ご三家の最後の共演の場となってしまった。【大友陽平】