三角関係に陥った男3人を軸にした純愛を描き、大きな話題を呼んだテレビ朝日系連ドラ「おっさんずラブ」(土曜午後11時15分)最終第7話「HAPPY HAPPY WEDDING!?」(6月2日放送)が2日夜、同局で放送された。田中圭(33)演じる天空不動産・東京第二営業所の春田創一が、吉田鋼太郎(59)演じる部長の黒澤武蔵とは結婚せず、林遣都(27)演じる後輩の牧凌太に「俺と結婚して下さ~い!!」と告げ、純愛を貫いたラストにインターネット上で話題が沸騰。ツイッターのトレンドで全世界で1位となった。

 「おっさんずラブ」は、同性の上司と後輩からストレートに好意をぶつけられた春田が、恋愛とは何か、結婚とは何なのかを悩む姿と、3人の純愛の行方が話題を呼び、深夜ドラマながら4月期ドラマ最大の注目作となった。注目の第7話では、春田が自宅でルームシェアしていた牧から別れを切り出され、家を出て行かれた1年後、黒澤に自堕落な生活の面倒を見てもらううちに同居。その中、「俺と結婚して下さい…お願いします」とプロポーズされ、「は、はい…俺で良ければ」と指輪を受け取ってしまい、抱き締められて結婚を受諾してしまう。一方、牧は春田への思いはあったが、同性との恋愛に対する家族や世間の目を考え、春田に迷惑をかけたくなくて自ら身を引いていた。

 春田は、黒澤との2人だけの結婚式で誓いのキスを求められた際、牧の顔や牧との思い出が頭をよぎり、キスできなくなる。その中、黒澤から「神様の前で、ウソはつけないね。本気じゃないキスをされても、俺はうれしくない…いいんだ。分かった。行きなさい。牧は今日から休暇を取って、しばらく旅に出るそうだ。夕方の便だ。間に合う。披露宴はとっくにキャンセルした。何年、お前の上司をやっているんだ、春田。春田ぁ…行けぇ!!」と牧との愛を貫くよう命じられた。春田は「部長…俺、俺、ごめんなさい、ごめんなさい…はいっ!!」と言い、号泣しながら牧を追う。

 そして牧を見つけ、「俺といたら、春田さんは幸せになれませんよ」という声を制し「だからさぁ…お前は、いつも勝手に決めるなよ。俺は絶対、お前と一緒にいたい。だから…俺と結婚して下さ~い!!」とプロポーズ。「ただいま」(牧)、「お帰り」(春田)と互いに言い合い、涙ながらに抱き締め合った。

 そして、春田が中国・上海のプロジェクトに向かう準備をするうちに荷造りでケンカし、つかみ合い、互いに上になって羽交い締めにし、ディープキスする2人と、新たな恋愛の道に進んだ登場人物たちを描き、ドラマは全7話を終えた。

 ツイッター上では「今季、断トツの面白さ」、「春牧(春田と牧)が結ばれて良かった」、「本当に優しいドラマ。こんなに優しい世の中になって欲しい」、「感動の涙が止まらない」など絶賛の声が相次いだ。LGBTやパワハラ、セクハラなど、現代の日本において議論されているテーマが幾つもちりばめられた作品ながら、貴島彩理プロデューサー(28)がこだわった「好きな気持ちに真っすぐな結果、こうなった王道恋愛ドラマ」、「バカみたいに真っすぐ生きるキャラクターが幸せになり応援される世の中であって欲しい」という真っすぐでピュアな純愛ドラマが、視聴者の心を打ったようだ。

 春田と牧が、男同士で真正面から愛し合う姿を描いたラストを、高く評価する声もあった。また「タニタ食堂」などで知られるタニタの公式アカウントも「最終回最後は凄い良い終わり方でしたね。何というか、『人間を好きになるとはどういうことか』という事を考えさせてくれました。素直でいる事って大事。」(コメントは原文のまま)とツイートした。

 「春田と牧の、愛の先が気になる」、「他のキャラクターの恋愛の行方も見たい」、「続編が出来る」、「春田が向かった上海編が見たい」など続編を希望する声や、映画化を望む声は、ますます高まっている。

 5月29日に都内のテレビ朝日で行われた定例会見で、角南源五社長は「人をピュアに好きになるところが新鮮で好評をいただいているのだと思う」と評価した。一方、亀山慶二専務は「視聴率は録画視聴を含めた総合視聴率でも8%に達していないが、SNS上では非常に活発なやりとりが行われている」と評価しつつも、映画化については「ありがたいことだがその予定はない」とした。ファンの声は、テレビ朝日に届くのか…今後の動きから、目が離せない。【村上幸将】