俳優三浦剛(42)が演劇集団キャラメルボックス公演「エンジャルボール」(7月6~16日、東京・池袋サンシャイン劇場)で初主演する。

 飛騨俊吾氏の同名小説の舞台化で、天使から200キロの剛速球を投げる能力を授けられた男が、息子たちのためにプロ野球広島シャークで活躍する物語。三浦も奈良・高田商、大阪学院大でプロを目指して投手として野球に打ち込み、兄は元DeNA投手の「ハマの番長」こと三浦大輔氏(44=日刊スポーツ評論家)。

 キャラメルボックス入団18年目で初主演の三浦は「すごいプレッシャー。正直力んでます。見た方がまた頑張ろうと思える舞台に」と意気込んでいる。

 主人公寺谷はプロを目指したが、挫折してトラック運転手になった。三浦は「僕にそっくりなんです。身長も181センチで同じだし、大学時代の遠投が100メートル以上、投げる速球も130キロ台。2人の息子への思いも、僕も小学1年の子どもがいるので共感できる」。脚本・演出の成井豊氏が「お前しかいない」と主演指名した。

 「マウンドに立つ心境で頑張ります。演劇をやるきっかけも、野球は練習して、試合して、ゲームセットで拍手を受けるけど、演劇も稽古して、本番があって、カーテンコールで拍手を受ける、似ていると思ったんです」。

 実際に投球する場面がある。「遠ざかっていた草野球も、4月は5試合で投げた。よりリアルに見てもらいたいから。ただ、投球フォームやグローブの扱い方は兄に似てしまう」と苦笑い。「野球が舞台ですが、家族ドラマとしても泣けるし、父親役でも頑張りたい」。京都、広島公演もある。「父親が1度も僕の舞台を見たことがない。今回は野球が舞台だし、見に来てほしいと思ってます」と目を輝かせた。【林尚之】

◆三浦剛(みうら・つよし) 1975年(昭50)7月18日、奈良県生まれ。大阪学院大中退後、01年に演劇集団キャラメルボックスに入団。中心メンバーとして舞台「流星ワゴン」「また逢おうと竜馬は言った」などに出演。共演をきっかけに09年に女優忍足亜希子(47)と結婚し、12年に女児が誕生した。音楽活動も行っている。