元SPEEDで自民党の今井絵理子参院議員(34)が、ロックバンドRADWIMPSのボーカルの野田洋次郎が物議を醸していた新曲「HINOMARU」の歌詞内容について謝罪したことを受け、「受け手の個人的な解釈の拡散により作家に釈明と謝罪までさせてしまう今の社会の風潮には賛成することができません」と自身の考えを述べた。

 同楽曲は6日にリリースされ、「この身体に流れゆくは 気高きこの御国のみ霊」「さぁいざゆかん 日出づる国の御名の下に」などといった歌詞やタイトルから「愛国ソング」としてネット上で話題になっていた。

 野田は発売日にインスタグラムで「日本に生まれた人間として、いつかちゃんと歌にしたいと思っていました。世界の中で、日本は自分たちの国のことを声を大にして歌ったりすることが少ない国に感じます。歴史的、政治的な背景もあるのかもしれません。いろんな人がいて、いろんな考え方があります。誰の意思や考え方も排除したくありません。僕はだからこそ純粋に何の思想的な意味も、右も左もなく、この国のことを歌いたいと思いました」との思いをつづっていたが、ネット上では賛否を呼んだ。

 野田は11日、ツイッターで英語と日本語での謝罪文を投稿し、「HINOMARUの歌詞に関して軍歌だという人がいました。そのような意図は書いていた時も書き終わった今も1ミリもありません。ありません。誰かに対する攻撃的な思想もありません。そのような具体的な歌詞も含まれてません。この曲は日本の歌です。この曲は大震災があっても、大津波がきても、台風が襲ってきても、どんなことがあろうと立ち上がって進み続ける日本人の歌です」と真意を説明。歌詞の表現についても「僕はいろんな曲で古語を使うので自然な流れでした」とした上で、「いろんな人の意見を聞いていてなるほど、そういうふうに戦時中のことと結びつけて考える可能性があるかとふに落ちる部分もありました」とし、「傷ついた人たち、すみませんでした」と謝罪した。

 今井は12日、ブログを更新。野田が謝罪したことに「とても複雑な心境です。野田洋次郎という1人の作家の想いや考えをストレートに偽りなく歌詞につづり、音を奏でることはいけないことでしょうか」と疑問を投げ掛け、「もちろん、受け手の解釈も自由であり、それをSNSで表現することも自由です。しかし、それは『表現』という言葉こそ同じかもしれませんがアーティストのそれとは全く意味の異なるものです。受け手の個人的な解釈の拡散により作家に釈明と謝罪までさせてしまう今の社会の風潮には賛成することができません」とネット世論を批判した。