草刈正雄(65)が仏ドキュメンタリー映画「皇帝ペンギン ただいま」(8月25日公開、リュック・ジャケ監督)の日本語版ナレーションを務めることが17日、分かった。

 アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した05年「皇帝ペンギン」の続編で、南極大陸の厳しい自然で生きる皇帝ペンギンの生態に迫る。前作の興行収入は10億円で、ドキュメンタリー作品では異例のヒットとなった。

 草刈は南極と縁がある。日本映画では初めてとなる南極ロケが敢行された80年映画「復活の日」(深作欣二監督)に主演。約3週間行われた南極ロケにも参加した。配給側は草刈の起用について「家族の絆を描く本作に、ソフトで優しい草刈正雄さんの声がぴったりだと考えたのはもちろんですが、草刈さんが主演し、南極で撮影された『復活の日』は有名です。南極といえば草刈さんと思い、お願いしました」と説明する。

 草刈はかつての南極での撮影について「ゴムボートに乗って撮影していると、必ずペンギンが飛び込んできました。毛むくじゃらのあの子たち、赤ちゃんの光景が忘れられません」と、懐かしそうに振り返った。本作については「極寒の南極で撮影された美しい映像に圧倒され、過酷な環境で懸命に生きる皇帝ペンギンたちの子育て、愛情をいっぱい受けたヒナたちの成長していく姿に感動しました」。来月にナレーションを収録予定。「思い出の地、南極を舞台にした本作でナレーションを担当することに、とてもワクワクしています」と楽しみにしている。

 ◆映画「皇帝ペンギン ただいま」 産卵を終えた母ペンギンは大切な卵を父ペンギンに渡し、一路海へ。父は母が帰るまでの約120日間、絶食状態で卵を温めてふ化したヒナを守る。経験の浅い父は抱卵に失敗したり、ヒナが天敵に襲われることもある。集団の中でも最長老の43歳の父ペンギンは子育ての大ベテランであり、無事にヒナを母に受け渡すことができた。夏が近づくころ、両親はヒナに別れを告げる。